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「CLやELに出ているドイツ有望株のフィジカルに負けず…」パリ世代日本代表を撮って感じた“肉体とハートの充実ぶり” 

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中島大介

中島大介Daisuke Nakashima

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photograph byDaisuke Nakashima

posted2023/04/06 17:01

「CLやELに出ているドイツ有望株のフィジカルに負けず…」パリ世代日本代表を撮って感じた“肉体とハートの充実ぶり”<Number Web> photograph by Daisuke Nakashima

世代別のドイツ代表相手に2-2のドローは、パリ世代の頑張りが目立った一戦だった

 この日の先発メンバーでは、年初にストラスブールにレンタル移籍をした鈴木唯人、デュッセルドルフ所属の内野貴史が海外組となった。また京都サンガで先発を重ねる川崎颯太や山田楓喜、柏レイソル所属で22年Jリーグベストヤングプレーヤー賞を受賞の細谷真大などもいるが、キャプテンマークを巻くガンバ大阪ボランチ山本理仁をはじめ多くが所属クラブで定位置を獲得できていないのが懸念材料か。

 なお海外組としては、この日はサブとなったが、GK小久保怜央ブライアンがSLベンフィカ、MF田中聡がKVコルトレイク、スパルタ・ロッテルダム斉藤光毅は怪我で不参加となった。

 対するドイツのメンバーには、前述の2名に加え、ELを戦うフライブルクで堂安律と同僚となるケイテルがキャプテンマークを巻き、ゴールマウスを守るのはアトゥボー、シャルケ所属クラウスなどがいる。戦うリーグレベルの差とともに、プレー時間からの経験値の差は決して小さいものではなかったはずだ。

印象的だった前線からのプレッシャー

 それでも――現地時間18時15分、ドイツのキックオフで始まった試合は、日本が前線から果敢にプレッシャーをかける姿が印象的だった。体格に勝る相手にボランチを組む川崎と山本がタッグをボールを奪い切り、左サイドに入る明治大学の佐藤恵允が激しいやり合いの中でファリデからボールを奪った。

 また中盤で川崎がインターセプトからカウンターに入ろうかという場面では、ファールが取られ悔しがる姿が見られたが、相手を恐れず、ボールを奪い切ろうとするシーンが目立った。

 しかし自力に勝るドイツは、序盤から日本のプレスを巧みに回避すると、日本ゴールに襲いかかった。前半8分には、早くも絶体絶命のピンチを迎えたが、ゴールを守る鈴木彩艶が2連続のセーブで切り抜けた。さらに相手セットプレーでは、ドイツの驚異的な高さで危機を迎えたが、鈴木に加えて両CB木村誠二、西尾隆矢が弾き返した。

 攻撃面では、トップ下に入る鈴木が起点となり何度か好機を演出したが、固いドイツの守備を崩すことができないでいた。

相手のフィジカルに負けない場面が増えた

 なんとかドイツの猛攻を凌いできた日本だったが、40分PKにより先制点を奪われる。万事休すかと思われたが、失点直後に得たCKから佐藤が同点ゴールを奪った。キッカー鈴木のボールをニアで西尾がフリックすると、ファーに詰めた佐藤が落ち着いて頭で流し込んだ。この形は、しっかりとデザインされたもので、ベルギー戦でもこの形からゴールを奪っている。

【次ページ】 大岩監督が語った今後への課題とは

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