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25歳で突然の引退表明…スターダム・ひめかが“プロレスラーではない人生”を望んだ理由「天職かなとも思いました。だからこそ…」
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2023/03/31 17:45
25歳の若さでリングを去るスターダムの人気プロレスラー・ひめか。引退を決断した理由や、プロレスへの思いについて話を聞いた
舞華、関口翔、秋山準…プロレス界での大切な出会い
引退試合を戦う舞華についても、あらためて話を聞いてみた。
「舞華とは家族ぐるみで仲がいいんです。遊園地に行ったり、ショッピングに行ったり……。プライベートでプロレスの話はほとんどしません。私の数少ないリアルな友達です。舞華とはシングルで1回しか戦っていないけれど、シングルの方が魅力的な選手だと思います。一発一発が本当に重くて、痛くて、何回もやりたいとは思わないですけど(笑)」
アクトレスガールズでデビューしたころから親交のある関口翔(かける)にも触れた。
「翔さんは大好きな先輩です。私の片思いかもしれないですけど、どうしても引退するまでに関わりたいと思った。翔さんはスターダムのリングに上がったことがないんですよ。『これは口に出さないと叶わない』と思ったので、言わせてもらいました」
ひめかの熱意が伝わり、4月2日の後楽園ホール大会のタッグマッチで関口との対戦が決まった。同28日には、新宿FACEでひめか引退のスピンオフ大会『JUMBO FOREVER』も予定されている。
そもそもひめかはアイドルになるために18歳で東京に出てきたが、最初からプロレスラーを目指したわけでも、プロレスが好きだったわけでもない。仕事として「全日本プロレス応援大使」をやっていたことが、プロレスの世界に入るきっかけだった。
「青木(篤志)選手が好きでした」
当時、全日本プロレスではアクトレスガールズが提供試合をやっていた。
「なつぽいや安納サオリさんがいましたね」
そこで全日本プロレスの社長だった秋山準との出会いがあった。
「お父さんと娘みたいな関係、ですかね。引退についても『休業でいいんじゃないの』と言いつつ、“父親目線”で『安心した。もう決めたことだから』と背中を押してくれました。プロレスを始めるときも『やらない方がいい』って言われていましたね。秋山さんがいなかったら、今の自分はいません」
引退後の生活は「空気がのんびりしているところで」
プロレスラーとしてのキャリアを終えたあと、ひめかはどんな人生を歩もうとしているのだろうか。
「引退後ですか? DDM(ドンナ・デル・モンド)のメンバーとは変わらず会ったりするのかなぁ……。プロレスは好きなので、普通に一般人として観戦したい。DDMの大事な試合は応援に駆け付けたいです。でも、あんまり行ったら『また、ひめかいるよ。そんなに好きならやめなきゃよかったのに』とか言われそう(笑)」