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イチローがWBC後に明かした“ダルビッシュへの思い”「何より嬉しかったのは…」ダルビッシュは労いの言葉に安堵?「ちゃんとできたのかな」
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byL)JIJI PRESS、R)Getty Images
posted2023/03/27 17:24
WBC終了後、イチローさんに聞いた侍ジャパン。ダルビッシュ有への熱い思いを語った
イチローが「大谷vsトラウト」に見た感慨
「JAPAN」の文字は筆記体からブロック体へ、ホーム用はピンストライプへと変わったが、選手たちが思いをひとつにして戦ったことは変わらない。それが嬉しかった。
野球とは個々の戦いの上に成り立つ団体競技。国の威信をかけたスーパースター同士の対決は、この上なく見るものを楽しませる。1点差の9回2死から生まれた大谷翔平とマイク・トラウトの対決がまさにそうだった。
「それはこの大会でしか見られないもの。最近は誰対誰、という勝負がなかなか観られないなか、この大会の最後にそれが観られたのは良かった。国を代表して戦う、この大会の醍醐味でもあると思います」
イチローが語るダルビッシュ「繋げてくれている証」
第5回大会を終え、優勝回数はドミニカ共和国、米国の1回を抑え、侍ジャパンが最多の3回を誇る。シーズン開幕前の戦いでありながら常に粉骨砕身、日本のために死力を尽くした侍たちの気概が、そこには込められている。その代表がイチローさんであり、06、09年に2大会連続MVPに輝いた松坂大輔氏だ。23年大会、イチローさんは迷うことなくこの男の名を挙げた。
「今回何より嬉しかったのは、ダルが日本代表の招集日初日から参加してくれたこと。2009年の最後のメンバーですから。ダルの思い、意気込みも含めて、チームを引っ張るという覚悟。繋げてくれている証だと僕は思っている。もちろん次回も代表メンバーに入る状態にあってほしいけど、後輩たちが今回のダルの思いを繋げていってほしい」