新山　映画版ドラえもんの主題歌で、『世界はグー・チョキ・パー』っていう曲です。要は、グーがあるからチョキが負けるし、チョキがあるからパーが負けるし、パーがあるからグーが負けるみたいな、それぞれが違うからいいんだよという歌なんです。世界はグーチョキパーで、みんなあいこなんだよと。そうやって、争ってもしゃあないという風に思い込もうとしていました。こんなもん所詮、引き分けなんやぞ、って。

――順番は何番くらいがいいと思っていましたか。

新山　トップは嫌でしたね。トップやったら、ほぼほぼ終わりですから。

石井　3番目くらいから、ぼちぼち来ていいでって思ってました。ただ、4番手のロング（コートダディ）さんがウケたので、このあとはちょっと来んといてと思ったような。

新山　僕も3番手が終わったくらいから、もう来たところで、っていう感じで待っていたと思います。ずっと5番がいいと言っていて、その通り5番目に名前を呼ばれたので、はい、っていう感じでしたね。前がどうであろうと、普通に考えたら、5番目というのは絶対にいい出順なので。

M-1決勝のスタジオに入る直前、映画版ドラえもんの主題歌『世界はグー・チョキ・パー』を聴いていたという新山

「点数が出たときゾクゾクってなった」

――理想通りの順番で出て、決勝本番の出来はどうでしたか。石井さんが立っている側は審査員が目に入って緊張すると聞きますが。

石井　準々決勝ぐらいまでは、まったくと言っていいぐらい緊張しなかったんです。でも、準決勝で死ぬほど緊張して。今までミスりまくってきたネタだったので、（ネタが）飛ぶんじゃないかという怖さがあった。その時の感覚が、まだ記憶の中にあったので……。でも決勝は、やり出したら、そこまでではなかったですね。

新山　僕は心配してなかったですけどね。しゃべり出しから、行ける、っていう感じでした。お客さんのリアクションも思った以上でしたね。

――最初から最後まで、ずっとウケている感じがありましたよね。これまでいちばんウケたと言ってもいいくらいですか。

新山　ウケ方で言うと、2017年の準決勝がいちばんですかね。僕ら、まだほとんど知られていなかったので、そこにお客さんがハマっている感じもあったんですよ。

石井　ネタをやっているときの気持ちよさで言えば、2017年やったかも知らんな。ただ、点数が出たときにほんまゾクゾクってなったんは今大会の方でしたね。数字がほとんど金色やったんで、ゾーッて。

「松本人志さんの“ひと言”がいちばん嬉しかったかも…」

――90点台は金色になるので、全部金色でした。でも、2017年決勝の『歌のお兄さん』も相当、ウケていましたよね。にもかかわらず、思ったほど点は伸びなかった。ウケと点数が必ずしも直結しないという怖さみたいなのもあったのではないですか。

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