2022年M-1・全員インタビューBACK NUMBER
「“M-1最下位はおいしい”って本当ですか?」ダイヤモンドが本音で語る、M-1の記憶「あのとき、キュウが僕らの点を下回るのは嫌だった」
text by
中村計Kei Nakamura
photograph byAtsushi Hashimoto
posted2023/03/12 17:04
結成5年で初めてのM-1決勝だったダイヤモンド。野澤輸出(ネタ作り担当、写真左)と小野竜輔。吉本興業所属
野澤 で、キュウのほうが上(9位)だということを確認した後は、また、ぜんぜん見ていなくて。1本目の流れからいって、さや香が優勝するんだろうなと思っていたんです。そうしたら、ウエストランドさんが優勝したんで、なぜかむっちゃ嬉しくなっちゃって。なんかわからないんですけど、泣きそうになっちゃったんです。
――ずっと東京で一緒にやってきた仲間でもあるわけですよね。
野澤 はい。まあ、仲いいんで。
小野 終わってみれば、井口さんの大会だったという感じですよね。最初からそうだったんですよ。楽屋でも、リハーサルでも、井口さんが回していて。黄金のセットをバックに(記念)写真を撮るときも「じゃあ、ダイヤモンドから並んで」って指示したり。みんなで敗者復活戦を観ているときも井口さんが1組ずつ寸評を加えるんです。「こいつらは落ちたな」とか「吉本だったら受かってたのにな」とか。番組が始まってからも、周りをずっと盛り上げていました。まあ、自分を鼓舞する意味もあったとは思うんですけど。なので、僕も他事務所のコンビなのに、勝ったときはめちゃめちゃ喜んじゃって。
「ウエストランドさんが優勝したらM-1最終回だよ」
――ファイナルジャッジの瞬間、ウエストランドが勝つだろうなと思いましたか。
小野 いや、正直、わからなかったです。ウエストランドさん、めちゃくちゃM-1とR-1の悪口を言っていたじゃないですか。僕、オズワルドの畠中とか、カベポスターの永見と観ていたんですけど、これでウエストランドさんが優勝したらM-1最終回になっちゃうよみたいな話を笑いながらしていたんです。だから、本当に優勝したときはちょっとびっくりしちゃいましたね。
――先ほど、少し話していましたが、芸人としては、中途半端な順位になるよりは、むしろ最下位の方がいいものなのですか。
小野 最下位はおいしいって言いますよね。そういう風に言ってくれる人もいたんですけど、直後は、ただただ悔しかったですね。
野澤 僕は順位以上に、ウケなかったことが単純に嫌でしたね。その後も、ずっと。この嫌な記憶を払拭するには、もう1回M-1に出て、ウケるしかないんでしょうね。
――2020年のマヂカルラブリーも、2022年のウエストランドも、初出場はそれぞれ10位、9位と痛い目に遭って、2度目の出場で優勝しています。