「進路は入学時から進学一択。早い段階から準備をしていました。万が一、受験がダメだったことも考えなくてはいけませんでしたが、進学することだけを想定してきたので……。

　幸い、あの年は受験の結果が出た後にプロ志望届が出すことができました。受験した慶大さんもプロも、どちらを目指すにしても最高峰の世界。大学は不合格という結果ではありましたが、両方を目指すことができたのは幸せなこと。そのように当時の宏斗に声を掛けたことは覚えています」

　大学進学を断念してもなお、“ドラフト1位”で単独指名を受けることができたのは、類いまれなポテンシャルがあってこそだろう。だが、恩師をもっと驚かせたのは、中日に入団して2年目の急成長だった。

中日に1位指名を受け、巨人3位指名を受けた中山礼都（右）とポーズ（2020年）©︎JIJI PRESS

「本当に良いチーム（中日）に入った」

「体の線は細いですし、高校時代からボールは速かったと言ってもプロの一線級のピッチャーに比べたら、まだまだ体作りは必要。3、4年目くらいに出てきてくれたらと思っていましたし、当初は（一軍で投げるのに）2〜3年はかかると思っていました。それがこんな早い段階で一軍で投げられるとは……。

　ドラゴンズには大野雄大投手や柳裕也投手といった経験豊富な投手や、世代が近い小笠原慎之介投手もいるので、そういった方の影響力が大きいと思いますし、精神的な部分やトレーニングなども含めた先輩の姿勢が、宏斗を育ててくれているような気がします。周囲の方に可愛がっていただいているのを地元のニュースでもよく見るので、本当に良いチームに入ったなと思いますね」

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