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大谷が「天才的」と評す近藤健介の打撃術 卓球、相撲、うどん打ち…父が明かす原点秘話 タダで焼き鳥を食べるためにとった驚きの行動とは?
posted2023/03/05 11:00
text by
中田愛沙美(道新スポーツ)Asami Nakata
photograph by
Hideki Sugiyama
ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)日本代表のソフトバンク・近藤健介はまさに「野球の申し子」だ。“や(8)きゅう(9)”の語呂合わせから『野球の日』と制定された8月9日生まれ。侍ジャパンの栗山英樹監督は日本ハムの監督時代、「コンちゃんは野球の神様の子どもなんだね。神様に指名された感じがする」と独特の言い回しで評したことがある。
指揮官とは2012年に日本ハムに“同期入団”し、21年まで10年間、監督と選手としてプレーした。その絶大な信頼から、今年1月頭に先行発表された日本代表メンバー12人にも名を連ねた侍戦士の素顔を、関係者の証言とともに紐解いてみる。
千葉県千葉市出身の近藤は、幼い頃から野球が身近にある環境で育った。父・義男さんは元中学校教員で野球部の顧問。侍ジャパンU-15軟式編成委員長を務め、長らく選手選考に携わってきた。もともと出産予定日は8月16、17日ごろだったというが、1週間ほど早く誕生。幼少期に親子でバッティングセンターへ行った際に、『野球の日』生まれであることに気づき、「健介はすごいんだな」と父は感激したそうだ。
何にでも興味を持つ、好奇心旺盛な少年だった。小学5年生の時に本格的に始めた野球だけではなく、両親の「いろんなスポーツをやらせたらいい」という教育方針のもとさまざまな習い事に挑戦した。本腰を入れていたテニス、水泳、剣道のみならず、卓球、体操、バドミントンにも取り組み、小学2年生の時にはわんぱく相撲大会で優勝を果たしたこともある。