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「“桑田佳祐コミッショナー”が加藤浩次や槙野智章と共闘」「女性プロ3人が涙」“エンタメ+ガチ勝負”のボウリング大会が楽しかった件
posted2023/03/04 06:00
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph by
Kayo Sekiguchi
ボウリングの大会、会場は東京体育館なんですか?
最初に「取材してみてもらえれば」と競技を言われたときには……正直なところ、面食らった。
「そう、ボウリングです。『KUWATA CUP2022→2023 ~みんなのボウリング大会~』という大会です」
あ、そういえば聞いたことがある。日本ミュージックシーンの大レジェンドである桑田佳祐さんが、確かボウリングに熱中して、それを機に「誰でもどこでも参加できるみんなのボウリング大会」を立ち上げたもののはず。でもたしか大会が始まったのはここ数年だったような。で、東京体育館と言えば体操やバスケなど屋内競技での大イベントで使う会場である。
「ボウリング界で最も大きな大会となったんです」
「手探りで始めた大会だったんですが、ボウリング業界の方々の協力もあって、ボウリング界で最も大きな大会となったんです」
こんな説明もしてもらった。調べてみると、第1回の開催は2019年。それ以降の2年はコロナ禍の影響もあって中止もしくはオンラインマッチ形式になったものの、晴れて2022→23大会は通常開催になった。
しかし失礼ながら……ボウリングでどれだけの集客があるのか。あと3日間かけて特設されるというボウリングのレーンとか、どんな感じになってるんだろう。興味本位で行ってみることにした。
67歳誕生日の“桑田コミッショナー”が登場
迎えた2月26日、千駄ケ谷駅に着くと、人があふれていた。「もうすぐ午後の部が始まりますので、ご入場いただけると幸いですー!」という掛け声が聞こえる。そして東京体育館の中に入ると、まさにパンパンの満員で、7000人の老若男女が集っていた。そのど真ん中に2つの特設レーン、そして(当然だけど)ボウリングのピンが並ぶ。うわ、ホントにボウリング会場になっている。
驚いていると、ほどなく決勝大会のオープニングセレモニーが始まった。司会はラグビーや格闘技実況で有名な矢野武さん、そして住吉美紀さん。決勝進出した各プロ選手が華美な入場シーンと“煽りVTR”で紹介される。さらに続く開会宣言で、コミッショナー的な立ち位置? らしい人物が出てくる。
って、桑田さんじゃないか! この日は桑田さんの67歳の誕生日ということもあってハッピーバースデーで迎え入れられると、観客に「ありがとうございます!」と感謝を伝えながら何度も丁寧にお辞儀していた。
これ以外にも、桑田さんは大奮闘だった。