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「“桑田佳祐コミッショナー”が加藤浩次や槙野智章と共闘」「女性プロ3人が涙」“エンタメ+ガチ勝負”のボウリング大会が楽しかった件
text by
茂野聡士Satoshi Shigeno
photograph byKayo Sekiguchi
posted2023/03/04 06:00
ボウリング「KUWATA CUP」のエキシビションマッチで投じる桑田佳祐さん
休憩時間、売店に足を運んだ時のこと。桑田さんファンと見られる女性2人組も「加藤さんとか出てきたエキシビションも楽しかったけど、決勝、手に汗握ったよねー」と語っていた。実際、坂本プロも桑田さんも異口同音に〈この大会を機にボウリングの楽しさに気づいてもらえれば嬉しいです〉といったコメントを残している。そう考えると新たなファンを開拓するという意味でも……エンタメとボウリング大会の融合がとっても上手くいっている、幸せな関係性なのだろう。
桑田さんの熱唱で会場の気温が上がったように感じた
考えてみれば、ここ数年間、スポーツと音楽業界ともに苦しい期間が続いた。2020年は無観客試合やライブが主で、2021年以降も声出し禁止など何らかの制限が設けられていた。だが、今回は前述の通り収容人員制限はなく、さらにマスク越しの声出し応援もOK。さらに表彰式後のエンディングでは大会公式ソング「レッツゴーボウリング」を桑田さんが熱唱すると、大げさでもなんでもなく東京体育館の気温が上がったように感じた。やはり人間、エンジョイすることで人生は豊かになる。
KUWATA CUPの大会ロゴの上には「TOP OF SPORTS FOR LIFETIME」、つまり〈生涯スポーツの頂点〉という文字も印象に残った。人生通じてできるスポーツ、なんて素晴らしい響きなんだ。桑田さん自身、歌うとともに身体を動かすことは。運動することは年齢を問わず楽しい……との思いを、67歳のバースデーに張り切る桑田さんの一投一投に強く感じた。
帰り道、千駄ケ谷駅ではなく新宿駅まで歩いてみると、おじさん2人もウキウキでこんな会話をしていたほどだ。
「よーし、日曜夜だけど笹塚辺りでボウリング、1ゲームやっていくか!」
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