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詐欺容疑でベルト返上、ぱんちゃん璃奈の“謝罪会見”に残る疑問…取材記者が覚えた“違和感”の正体「なぜ復帰会見を同時に行ったのか?」

posted2023/02/21 17:02

 
詐欺容疑でベルト返上、ぱんちゃん璃奈の“謝罪会見”に残る疑問…取材記者が覚えた“違和感”の正体「なぜ復帰会見を同時に行ったのか?」<Number Web> photograph by Norihiro Hashimoto

2月17日に会見を開き、詐欺事件の謝罪とともに格闘技復帰を表明したぱんちゃん璃奈

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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Norihiro Hashimoto

 会見開始の15時少し前に会場に着くと、普段は見ない記者たちが何人もいた。

 2月17日に行なわれた、キックボクシングイベント『KNOCK OUT』の記者会見だ。プレスリリースに記されていた出席者は、宮田充プロデューサーと看板選手のぱんちゃん璃奈。

 彼女は昨年12月5日に逮捕された。那須川天心vs.武尊のサイン入りポスターを偽造し、ネットオークションで落札者に9万9900円で販売した「詐欺容疑」のためだ。ぱんちゃんは女子格闘技屈指の人気選手だけに、衝撃は大きかった。

多くのメディアが集まった“異例の会見”

 今回は事件後、初めてメディアの前に姿を現す会見。いわゆる“謝罪会見”なのは間違いなかった。カメラマンたちは、ぱんちゃんが座る席の正面ではなく横に陣取っていた。謝罪して頭を下げるぱんちゃん、その表情を撮るには確かに横からがいい。

 会見の冒頭、宮田氏は被害者、関係者、ファンとともに那須川、武尊にも謝罪している。また宮田氏からは、事件のすべての事柄についてコメントを控えるよう警察から指導されたという言葉も。

 ぱんちゃんは1月23日に自身のYouTubeチャンネルで謝罪動画を公開。そこでは被害者に謝罪を受け入れてもらったと語っていたのだが、それがイコール「解決」という意味ではなかったようだ。宮田氏によると事件については「まだ解決していない状況」だという。ぱんちゃんは「昔、何かやっていないかを調べるのにも時間がかかりますし、私について今までのことを“洗う”必要があるということです」と説明した。ただ「これ以外には一切何もしていない」と付け加えた。

「大変、申し訳ございませんでした」

 宮田氏に続いて謝罪の言葉を述べ、頭を下げるぱんちゃん。シャッター音が会場に響く。その後も彼女が声を詰まらせ、涙を指で拭うたびにフラッシュが浴びせられる。

 マット界に「逮捕者、不祥事の謝罪マニュアル」があるわけではない。何が正解かは分からず取材するほうとしても手探り。その上で、この会見はかなり異例のものだと感じた。

ベルト返上とともに、“復帰プラン”を発表

 発表されたのは、保持するKNOCK OUT王座の返上。本人の意向によるものだ。「自分の立場でベルトを保有するのはおかしいと思いますので」とぱんちゃん。

 驚いたのは、今後の復帰プランまで明らかにされたことだ。3月5日に開催される、国立代々木競技場第二体育館でのビッグマッチでエキシビション。さらに5月ないし6月にキックボクシング公式試合での正式な復帰戦を行なう予定だという。会見実施もプロファイターとしての活動再開も、警察からの了承を得てのことだそうだ。

【次ページ】 ペナルティは無し「警察から『問題ない』と…」

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