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「慶應のエルドレッド」と騒がれて…“取材が苦手だった”元楽天・岩見雅紀が明かす“なぜ活躍できなかったか?”「まあ、あえて言うなら…」 

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田口元義

田口元義Genki Taguchi

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posted2023/02/20 11:04

「慶應のエルドレッド」と騒がれて…“取材が苦手だった”元楽天・岩見雅紀が明かす“なぜ活躍できなかったか?”「まあ、あえて言うなら…」<Number Web> photograph by KYODO

昨年、楽天から戦力外通告を受けた岩見雅紀。年末のテレビ番組出演、そしてスカウト転身の裏側を語った

 声色に虚しさはない。過程を積んでいたからこそ、過酷な結果を受け止められる。岩見には、そんな自負があったからだ。

「もったいねぇよ、その体があるのに。俺と一緒に自主トレやろうよ」

 声の主は、岩見が入団した18年に古巣の楽天に復帰した渡辺直人だった。望む結果を追い求めても届かない、そんなふうに煩悶していた岩見は、ファンや後輩選手からも慕われるベテランに師事することを決めた。

プロ初ヒットが「ホームラン」

 プロ3年目の20年9月10日。

 過程が結果へと結びついた。この年の開幕投手を務めたソフトバンク・東浜巨のカーブを、左手一本で鋭く振り抜く。低い弾道のライナーは失速することなく、レフトスタンドに着弾した。岩見にとってこのホームランは、プロ初ヒットでもあった。

 はしゃぎながらチームメートとハイタッチし、ベンチの奥へ退くとバッティングコーチを兼務する恩人、渡辺直人と拳を交わした。

「いろんなことがあっての、あの1本だったんで。感謝してる直人さんがいるベンチに帰ってこられたのが嬉しくて、気持ちが溢れ出たって感じです」

 結論から言えば、岩見のプロでのキャリアにおいて、それは一瞬の輝きだった。

 この年あたりから「結果を残せなかったら、さすがにクビになるだろうな」と現実を捉え始めていた岩見は、昨年のシーズン終了後に楽天から戦力外通告を受けた。

 35試合に出場し75打数11安打、1ホームラン、4打点、打率1割4分7厘。これが、プロ野球選手・岩見雅紀の足跡だ。

なぜ、結果を出せなかったと思うか?

 キャリアはわずか5年。非情な通告を突きつけられた原因を、ストレートに訊く。

 なぜ、結果を出せなかったと思うか?

 岩見の口角が上がる。

「どうでしょうね? 見てた人が判断すればいいんじゃないですか」

 そこに嫌味も卑屈もない。少しの間を置き、岩見は「ぶっちゃけ……」と再び口を開く。

【次ページ】 スカウト転身の裏側

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岩見雅紀
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