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電撃トレードから2週間…八村塁に変化が? 現地NBA記者が解説「名門レイカーズ」で“逆襲のキーマン”になるために必要なこと 

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杉浦大介

杉浦大介Daisuke Sugiura

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posted2023/02/06 17:00

電撃トレードから2週間…八村塁に変化が? 現地NBA記者が解説「名門レイカーズ」で“逆襲のキーマン”になるために必要なこと<Number Web> photograph by Getty Images

電撃トレードでNBA名門レイカーズに加入した八村塁。新天地で上々のスタートを切り、プレイオフへの意欲も口にした

「塁は短期間に本当に多くを経験したから、少しスペースをあげて欲しい」

 このニックス戦の開始前、レイカーズ広報から実はそんなリクエストを受けていた。結果として、この日の八村は上機嫌だったことから、私たちメディアもスペースを与える(=ゲーム後の取材を見送る)必要はなかった。それでもまだ24歳の若者が、激動の数日間を過ごしたという事実に変わりはない。

 2019年6月、ドラフト1巡目9位で指名されて以来続いてきたウィザーズとの蜜月は少々あっけない形であっさりと終わりを告げた。振り返ってみれば、八村にとって3年目となる昨季の前半戦、“個人的な理由”で長期休養したことがやはり“終わりの始まり”。日本人選手を抱えるビジネス面の恩恵まで含め、“長期視野でチームの主軸へ”というウィザーズ側の期待感はそこで半ば潰えたような印象があった。

 その後、脇役に追いやられたワシントンDCでの日々にはフラストレーションを隠さず、おそらく自らが主役になれる機会を求めていた八村にとって、即座の上位進出を目論むスター軍団のレイカーズがベストの環境かは意見が分かれるところかもしれない。

 ただ、たとえそうだとしても、新天地でのモチベーションがウィザーズ時代とは比べ物にならないくらい高いことは八村自身の言葉から伝わってくる。

「ウィザーズの時も、(本拠地に)レイカーズが来るといつもレイカーズのファンの方が多かった。テレビでも全米中継でいつもやっているところはウィザーズとはまた違う。おかげで試合に集中できるのはいいと思います」

激闘を終えた渡邊雄太から“おねだり”

 1月30日、渡邊雄太が所属するブルックリン・ネッツとの試合後、「(渡邊から)僕のジャージーが欲しいって言われたんです」と嬉しそうに明かしていた。八村がほとんど自慢げに語っていた通り、選手側からみてもレイカーズの一員というステイタスにはそれだけの魅力があるのだろう。リーグ最多タイの17度という優勝回数を誇る超名門チームへの移籍は、少々停滞し始めていた八村のNBAキャリアを再加速させる絶好のチャンスであることは間違いない。

【次ページ】 レジェンドOB「見たことがない発言」が物議

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