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「1年前はJ2→ドイツ5部」上月壮一郎22歳の堂々1部デビュー…長谷部誠と握手、鎌田大地vs吉田麻也のW杯組対決も〈現地撮影〉
text by
中島大介Daisuke Nakashima
photograph byDaisuke Nakashima
posted2023/01/23 17:03
再開されたブンデスリーガ。鎌田大地や吉田麻也といったW杯組はもちろん、上月壮一郎といった新たな世代の躍動も見逃せない
15時半のキックオフより30分ほど前、両チームがアップに登場した。鎌田がゲッツェと組んでボールを回す。長谷部はサブスタートとなり、ベンチコートを着たままでピッチに現れた。吐く息が白く映り込む。
またシャルケ側に目を向けると――スタメン組の中に吉田に加え、上月も見つけることができた。
ゴール裏の熱狂的なフランクフルトサポーターと、片隅に追いやられてなおこちらもまた熱狂的なシャルケサポーターの歓声の中、両チームの選手が入場してくる。上月はこれがブンデスリーガでのデビュー戦となった。
シャルケの円陣では、日本代表での光景のように、この日はキャプテンマークは巻いていなかったが、吉田が士気を上げるような振る舞いを見せた。また円陣が解かれた後、上月に近寄ると、アドバイスをする姿が見られた。
鎌田vs吉田、上月のシュートがポストを叩く場面も
キックオフ。両チームの順位とは裏腹に序盤はシャルケがポゼッションを高める。
その中で上月は――この試合最初のファーストタッチこそピッチに足を取られて悔しがる姿を見せたが、右ウイングにポジションを取って積極的にボールを呼び込むと、果敢に縦への突破を図った。足元でボールを晒すようにコントロールすると、足を出してきた相手を嘲笑うかのように一瞬で縦へ抜け出す。
また最終ラインに入った吉田は、チームに落ち着きを与える。そして正確なフィードで攻撃の活性化を図った。
ただ、実力的に上回るフランクフルトが徐々に盛り返す。トップに入るコロムアニがフィジカルと機動力を活かして吉田の裏を取る機会が増えてくる。またボランチに入り、中盤に位置していた鎌田が一瞬の隙を突き、守備ラインの裏に抜け出してシュートまで持っていくがゴールは奪えなかった。
そして22分、リンドストロームが華麗なドリブルで吉田の相棒マトリチャーニを抜き去り冷静にゴールを奪い切った。その後も試合はややシャルケペースで進む。
鎌田のドリブルに吉田が対応に当たるシーン、吉田がコーナーからのヘディングシュートで決定機を迎えたシーン、上月のシュートがポストを叩くシーン、またフランクフルトのCKでは、鎌田のマークに上月が付く場面もあった。しかし両者得点のないまま1-0で前半を終えた。