メディアへの露出も控えて狙う大逆襲

　就任2年目となる今シーズンも、苦しい戦いが予想される。主軸を担ってきた近藤健介がFA権を行使してソフトバンクへ移籍し、大きな戦力を失った。それでも新庄監督の「即戦力を取りたい」という願いが通じ、ドラフトでは1位指名で二刀流・矢澤宏太、メジャーも経験した逆輸入選手の加藤豪将が加入。FA戦線にも参戦し、熱烈ラブコールが実って、日本一に輝いたオリックスから伏見寅威を補強した。

　メディアに出ずっぱりだった昨オフから一転、このオフは露出を控え、公の場に姿を見せることはほとんどなかった。振り返れば2004年、日本ハムに入団した新庄剛志外野手は「チームの日本一」と「札幌ドームを満員にする」を公約に掲げ、その2つともを達成した2006年にユニホームを脱いだ。いつも有言実行を果たしてきた男だけに、ひょっとしたら……新球場が開場する節目の2023年、BIGBOSSを脱ぎ捨てた新庄監督への期待は自ずと高まる。

2006年、中日との日本シリーズを制しセレモニーでひとり両腕を突き上げて喜びを表現する新庄。この年限りで現役引退した　©︎Hideki Sugiyama

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