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「気づけば23時まで…」高橋藍はイタリアで“先輩”石川祐希と何を話した? サッカーW杯の大躍進にも刺激「ドイツ人は落ちんでいた(笑)」 

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高橋藍

高橋藍Ran Takahashi

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photograph byPallavolo Padova

posted2022/12/10 11:04

「気づけば23時まで…」高橋藍はイタリアで“先輩”石川祐希と何を話した? サッカーW杯の大躍進にも刺激「ドイツ人は落ちんでいた(笑)」<Number Web> photograph by Pallavolo Padova

石川祐希(左)との日本人対決を振り返った高橋藍。ネットを挟んで対峙したことで、改めてその凄みを痛感したという

 改めて2022年を振り返ると、自分自身「成長できた」と感じられる1年になりました。

 まず顕著なのは、身体の変化です。昨年末、大学での試合を終えてパドヴァへ来たばかりの頃は76キロだった体重が、4カ月イタリアでのシーズンを過ごし、その間試合期でもしっかりウェイトトレーニングを積み重ねることができた結果、体重は6キ増えて82キロになりました。

 筋肉量が増えたというと「身体が大きくなりすぎて大丈夫なの?」と思う方もいるかもしれませんが、ただ肥大させるのではなく専門のトレーナーの指導を受け、バレーボールに必要な筋力へアプローチします。身体が大きくなるというよりも、さらに高く跳ぶ、より速く動くための筋肉をつける。僕の中ではそういうイメージで、実際にジャンプ力も増し、明らかにスパイクを打つ時の高さも変わり、打てるコースやボールの重さに変化を感じられるようになりました。

 その結果、日本代表でもシーズンを通してケガもなく、試合に出場し続けることができた。世界選手権のフランス戦が象徴するように、確実に「成長できている」と感じられるプレーもできるようになりました。

チームメイトとサッカーW杯を観戦

 あっという間に1年が過ぎ、またありがたいことにこうして今、僕はイタリアにいます。4年前、携帯電話のサッカーゲームに夢中だった高校生の僕に、「4年後はイタリアにいて、同じチームメイトのドイツの選手とサッカーW杯の日本対ドイツ戦を一緒に見ているよ」と言っても信じられないですよね。考えもしなかったことが1つ1つ現実になっています。

 また、W杯で活躍した日本代表には刺激をもらいましたし、同じ国を代表する立場としてプレッシャーもいただいきました。自分たちも「もっと頑張ろう」と気持ちも高まっています。

 スポーツには国境がない。サッカーW杯を見ているとまさにその通りだなと思います。実際、日本がドイツに2対1で逆転勝ちした後、練習に行くと体育館のロッカールームでチームメイトが「ニッポン! ニッポン!」と僕を迎えてくれた。ヨーロッパに住む彼らはサッカーに精通していて、W杯がどれほどの大会かわかっているから、そこで日本がドイツに勝つ凄さも知っている。だからごく自然に僕のことも称えてくれる。それこそがスポーツを通しての交流であり、いろいろな人にスポーツを通して感動を与えられるって素晴らしいな、と実感しました。もちろん、ドイツ人の選手は落ち込んでいましたけど(笑)。

【次ページ】 「来年も、もっともっと頑張る」

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