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「気づけば23時まで…」高橋藍はイタリアで“先輩”石川祐希と何を話した? サッカーW杯の大躍進にも刺激「ドイツ人は落ちんでいた(笑)」
posted2022/12/10 11:04
text by
高橋藍Ran Takahashi
photograph by
Pallavolo Padova
ちょうど1年前、僕はイタリア・パドヴァへ渡り、初めての海外生活が始まりました。
最初は生活にも慣れず、イタリアのスーパーで食材を買って料理をしてもお腹が痛くなったり、カウントダウンの爆竹音にびっくりしたり。昨シーズンはイタリアで中学生以来となるリベロも経験しました。
セリエA、そして日本代表。あっという間に時が過ぎ、日本にいた日々よりも海外で生活した時間のほうが長かった2022年も気づけば12月になりました。
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10月に開幕したバレーボールのセリエAも2カ月が過ぎ、最初こそ連勝スタートできたものの、力が拮抗したリーグでなかなか勝利を挙げることができず、苦しい戦いが続いています。長いシーズンの中には、いい時もあればうまく行かない時もあり、その時々でいかにメンタルを保ち、試合に臨む気持ちをつくりつづけるか。「勝ちたい」という気持ちは全員同じであるのに、なかなかひとつになり切れず、今は勝つことの難しさを実感しています。
石川祐希と日本人対決「昨年はリベロ」
そんな中、11月13日には久しぶりに石川祐希選手と再会しました。
ホーム・パドヴァでのミラノ戦、昨シーズンも同じ試合があり、石川選手と顔を合わせることはできましたが、その時僕はリベロとしての出場に留まりました。今回は同じアウトサイドヒッターとして石川選手と対戦する初めての機会。とても楽しみでしたが、自分でも驚くぐらい実は緊張感があって、石川選手を意識しすぎて余分な力が入ってしまいました。
もともと僕にとって憧れの存在で、尊敬する選手と対戦できるということもありますが、日本代表ではチームメイト。「負けたくない」という気持ちが強すぎる半面、ブロックで対峙する時には石川選手のところに打ちたくない。石川選手に止められたら嫌だな、という気持ちが本能的に働いてしまいました。
無理に点を取り急いでしまい、普段は高さを出せるスパイクの通過点が低くなり、相手ブロックにかかってしまった場面も多く、試合も1セットを先取しながらの逆転負け。個人としては反省が残る試合になりました。