武蔵丸の辛口御免 Oh!相撲BACK NUMBER
なぜ? “ご意見番”武蔵丸が珍しく優しい「大関が負けてクヨクヨしてる姿を誰が見たいんだ?」「高安、諦めるなよ!」「三賞はケチくさい」
text by
武蔵川光偉Musashigawa Mitsuhide
photograph byJIJI PRESS
posted2022/11/29 17:00
九州場所千秋楽、高安(左)は阿炎に突き倒しで敗れ、28年ぶりの優勝決定巴戦にもつれこんだ
今場所は大鵬さんの孫の王鵬がよかったね。後半で上位陣には連敗したけれど、2日目から9連勝してたんだ。彼は、逃げないところがいい。今までは相撲が遅いからヤラレちゃっていたけれど、これから“勝ち方”も覚えていくと思う。来場所以降が楽しみなお相撲さんなんだよな。
そうそう、三賞選考基準が厳しいよね。今場所は殊勲賞が高安、敢闘賞が阿炎、千秋楽に勝てばの条件付きで豊昇龍が技能賞を受賞したんだけれど、入幕2場所目の平戸海がいい相撲で10勝したし、王鵬もよかったのにな。審判部の判断、ちょっと変じゃないのか? 「三賞、ケチくさい」「自分の弟子に贔屓してる親方が~」なんて、相撲ファンにSNSで書かれてるようじゃダメだよ。オレだってそう思うもん(笑)。相撲ファンをがっかりさせちゃいけない。ファンを舐めちゃいけないよ。三賞ひとつでも、「今場所は誰がもらえるかな」って楽しみにしてるんだ。別に、審判部が三賞の賞金を自腹で出してるわけでもないんだからさ、本人の励みやファンのためにも、大盤振る舞いしてもいいくらいなんだよな。よって今場所の「マルちゃん賞」は王鵬と平戸海が受賞!
今年一年を振り返ると、年6場所、毎回優勝力士が違って、ある面ではおもしろくもあった。ただね、これはお相撲さん全員に共通することなんだけれど、「守るより攻めろ」。守りの相撲ばかりな気がしてるんだよね。勝っても負けてもいいから攻めろ。
そう――みなさんの人生も同じだよ。
(構成=佐藤祥子)
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