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石川遼「ハングリー精神がある選手が増えた」7年ぶりの“消化試合”なのに男子ゴルフ最終戦がなぜ白熱? 158cm比嘉一貴は2億超えなるか
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph bySankei Shimbun
posted2022/11/29 11:01
最終戦を前に初の賞金王を確定させた比嘉一貴(27歳)。JTカップを制すれば、2001年の伊沢利光以来となる獲得賞金2億円に到達する
前述したドライビングディスタンス部門2位の清水も賞金ランキング23位で最終戦にコマを進めた。また、同じ今季未勝利の選手のうち最もランキングが高い(4位)のは実質プロ2年目の岩崎亜久竜(24歳)。トップ10入り10回は比嘉よりも1回多い。
ドライビングディスタンスは6位でこちらは鋭い低弾道が特徴的。昨年末の予選会を上位通過してレギュラーツアーに参戦した今年の最大の目標は、実は海外ツアーの予選会通過だったという。
河本然り、清水然り、視線は近い将来、日本を飛び出すことにある。彼らのダイナミックなゴルフを、東京よみうりCCが受け入れてくれるかどうかはともかく、PGAツアーであっても見劣りしない飛距離は魅力的だ。
9歳で渡米、父はNHK英会話で活躍
そしてこの秋は、彼らに先んじて海外への道を切り開いた選手たちがいた。
11月、米ジョージア州で行われた、来季の米下部ツアー・コーンフェリーツアーの出場権を争う最終予選会をチャン・キム、大西魁斗が上位通過。桂川有人も序盤戦の出場機会を得られるポジションで終えた。日本での最終戦を終えても、年明け1月に行われるバハマでの新天地の開幕戦を目がけて準備しなければならない。
24歳の大西は9月のフジサンケイクラシックで初優勝。NHKの英会話教室でもお馴染みの大西泰斗さんを父に持ち、ジュニア時代は9歳で渡米して腕を磨いた。南カリフォルニア大を卒業後、日本ツアーを経由して再渡米するというパターンは日本人では極めて稀。同じく24歳の桂川は高校時代をこちらもゴルフ環境が充実しているフィリピンで過ごし、今年4月に日本で初優勝。どちらも10月に24歳になり、次のステージに立つ日が近づいている。