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石川遼「ハングリー精神がある選手が増えた」7年ぶりの“消化試合”なのに男子ゴルフ最終戦がなぜ白熱? 158cm比嘉一貴は2億超えなるか
posted2022/11/29 11:01
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
Sankei Shimbun
消化試合、に分類されるのは7年ぶりらしい。
2022年の日本男子ツアーはシーズンの最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」を前にして、早くも賞金王が決まった。
比嘉一貴は沖縄県出身の27歳。
2019年にツアーで最も背の低い優勝者として注目された男は今年、4月の関西オープンを手始めに、6月の国内メジャー・日本ツアー選手権森ビル杯を制して賞金レースのトップに立ち、秋にさらに2勝を飾った。
2001年伊沢以来の2億円超えなるか?
直近のカシオワールドオープンは後続に約7425万円以上の差をつけて迎え、2位の星野陸也(26歳)に2連勝される以外は逆転がないという状況だった。悠々とゴールテープを切り、2015年のキム・キョンテ以来、最終戦を待たずして高知でタイトルを手にしたマネーキングになった。
最終戦を制すれば、これまたキム以来の年間5勝の達成者になる。さらに、優勝賞金4000万円の上積みは、年間賞金額において史上6人目の2億円超え、2001年に伊澤利光が残した最高記録(2億1793万4583円)更新に直結する。
比嘉はJTカップの会場である東京よみうりCCでプレーした過去3回、トップ10入りがないとはいえ、年間を通じて高いレベルで安定感を発揮し、あらゆるコースに対応してきたゆえの賞金王の称号である。世界ランキングのさらなるアップという目標もあり「一段落」とはまだ言えない。
30人による東京決戦、見どころは?
さて、年間の優勝者をはじめとする30人による東京決戦は今年、賞金レースでは確かに消化ゲームになったが、シーズンを盛り上げた若手選手が多くフィールドにいる。それもただ若いだけではなく、それぞれに大きな可能性を秘めたプレーヤーであることが楽しい。