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石川遼の独走にストップをかける!
「旧世代ゴルファー」の逆襲。 

text by

雨宮圭吾

雨宮圭吾Keigo Amemiya

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photograph byNIKKAN SPORTS/AFLO

posted2010/05/29 08:00

石川遼の独走にストップをかける!「旧世代ゴルファー」の逆襲。<Number Web> photograph by NIKKAN SPORTS/AFLO

5月に自身3回目のメジャー制覇を成し遂げた谷口徹。ちなみに……ゴルフ部に在籍していたPL学園時代は、桑田真澄と清原和博のクラスメイトだったそう。ふたりは現役引退したが、谷口はまだまだ日本のトップ選手として活躍中だ

「石川遼だけじゃなく、池田勇太だけじゃなく、小田孔明も応援してください」

「迫力も、技も。今日ここにいるのはプロの中のプロ。遼くんだけじゃないんです」

「男子は遼くんだけじゃないことを僕が見せておきました。遼くんファンの皆様、少しは谷口徹の応援もよろしくお願いします」

 これらはいずれも今季国内男子ツアーにおける優勝スピーチでの発言である。さながら石川遼への宣戦布告。シーズン序盤戦では、こうした意気軒昂な叫びが表彰式のたびに繰り返されている。

 開幕戦は32歳の小田孔明、2戦目は40歳の藤田寛之、3戦目に18歳の石川遼をはさんで、国内メジャー初戦の日本プロ選手権では42歳の谷口徹が2年ぶりのツアー優勝を飾った。

 4月の東建ホームメイトカップで幕を開けたシーズンは4試合を消化し、特にアラフォーと呼ばれるようなベテラン勢の充実ぶりが目立っている。高いレベルのつばぜり合いが繰り広げられて、試合も掛け値なしに面白い。

石川の「パワーゴルフ」への対抗策を講じる藤田寛之。

 昨季までは石川の快進撃にあっけにとられ、自分たちとは別世界の話と遠ざけているような雰囲気もあったのが、各選手とも今季はようやく心も体も臨戦態勢を整えてきたようだ。突き上げを食らってばかりだったベテラン勢が“いい大人”であることを脱ぎ捨て、“子供みたいに”ムキになって18歳の賞金王と張り合い始めたのである。

 それは今季の藤田や谷口の姿勢を見れば明らかだ。2人は際立った技術はあれども飛距離の出る選手ではない。その技術だけでもそこそこの成績は残せるのだろうが、今季はこれまで培ったスタイルにプラスアルファを求める貪欲な姿勢が見えている。

 藤田は一昨年末から筋力アップのトレーニングに以前にも増して力を入れて取り組み始めており、その甲斐あって今季は上半身が見るからにがっちりと大きくなった。さらに、扱いは難しいが距離は伸びる長尺のドライバーも使い始めた。すべては自分の短所を少しでも穴埋めし、飛距離を武器にした石川のような「パワーゴルフ」に対抗するためである。

【次ページ】 谷口徹も飛距離へのこだわりを見せ始めた。

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