濃度・オブ・ザ・リングBACK NUMBER
乱闘に低レベルの試合も…異色で下世話な格闘技『BreakingDown』がウケる理由は? 朝倉未来「みんなトラブルが見たいんです」
text by
橋本宗洋Norihiro Hashimoto
photograph byNorihiro Hashimoto
posted2022/11/27 11:03
オーディションや会見では乱闘が頻発。それも含めて『Breaking Down』は話題になっている
セクシー女優プロレスラーが初参戦で勝利
第6回大会にはプロレス団体P.P.Pから八須拳太郎とちゃんよたが参戦。ともに勝利を収めた。以前からブラジリアン柔術を学んでいる八須は、強さの探究として格闘技の試合をするとともにプロレスラーとしてのし上がりたいという気持ちもあるという。
「そういう意味でも『BreakingDown』はうってつけだなと。今一番盛り上がってる舞台なので」
生き物として強くなりたいというちゃんよたは初の格闘技出場。筋トレYouTuberでありセクシー女優でもあり、とにかくエネルギッシュに活動している。最近ではボディコンテストにも出場した。
ちゃんよたは『BreakingDown』を皮切りにさまざまな格闘技大会に出たいという。プロレスラーだから“素人”に負けるわけにはいかないというプレッシャーもあった。大会前日の会見では筋トレ、AV、プロレスと頑張ってきたことすべてを相手にバカにされて余計に気合いが入った。『BreakingDown』らしいと言えばらしいのだが、相手からはちゃんよたとその活動に対する最低限のリスペクトも感じられなかった。
ちゃんよた「まさにブレイキング・ドリーム」
それも踏まえて、勝つ意味は大きかった。八須は未来とのコラボ動画(対談)が実現。ちゃんよたはYouTubeの登録者が2万人、ツイッターのフォロワーは3万人近く増えたという。P.P.Pの大会も新規の観客が急増しているそうだ。
「まさにブレイキング・ドリームだなって」(ちゃんよた)
『BreakingDown』にはウケる理由がある。出場者が必死になる理由もある。もちろん人によって好き嫌いはあるだろう。それだけ個性が強く“好きな人はもの凄く好き”ということにもなる。
朝倉未来は配信のコメント欄にすべて目を通し、常に大会のブラッシュアップを考えているという。第6回大会では、開催中に進行の手順を変えるよう指示し、テンポをよくしたそうだ。
プロ経験者も格闘技未経験という者もいてレベルにバラつきがあるだけに、筆者はビギナールール、あるいは「超ビギナールール」を作ったほうがいいのではないかと感じた。グローブをより大きなものにし、ヘッドギアやレガース(スネ当て)を着用する。要は安全面の強化だ。CEOのYUGO氏によると、安全面と映像としての伝わりやすさはトレードオフの関係でもあり、常に悩みどころだという。