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天皇賞・秋は最強古馬勢よりも“ハイレベルな3歳勢”が有利か?“とんでもない馬”イクイノックスの心強いデータ「ダービー2着馬は…」 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byKeiji Ishikawa

posted2022/10/29 17:00

天皇賞・秋は最強古馬勢よりも“ハイレベルな3歳勢”が有利か?“とんでもない馬”イクイノックスの心強いデータ「ダービー2着馬は…」<Number Web> photograph by Keiji Ishikawa

皐月賞、ダービーでは2着だったイクイノックス。今回は満を持して秋の盾を狙う

「背が伸びて、ひと回り骨格が大きくなりました。たとえ大外枠でもしっかりやっていかなくてはならないと思っています」と木村調教師は共同会見で話していた。東京芝2000mの大外枠は「不利というより損」と「平成の盾男」武豊が言うほどのマイナス材料なのだが、4枠7番という、内と外を見ながら競馬のできる好枠を引いた。

 主戦のクリストフ・ルメールが「GIを勝たないといけない馬」と力を認める逸材が、歴戦の古豪を相手にどんな走りを披露してくれるか、楽しみだ。

同厩舎の“エース”はジオグリフ?

 木村調教師が「うちのエース」と強調する、皐月賞馬ジオグリフ(牡3歳、父ドレフォン、美浦・木村哲也厩舎)も相当強い。

 疲れが残りやすく繊細なため間隔をあけて使われてきたイクイノックスに対し、こちらはタフで、予定どおりにローテーションをこなしている……と言いたいところだが、喉鳴りを抱えていたり、ダービー後に骨折が判明したりと、すべてが順調だったわけではない。が、そんなことを感じさせないほど普段から元気で、木村調教師は「学校から帰ったらランドセルをぶん投げて遊びに行くような感じ」と表現している。

 混戦で一歩前に出るのは、こういうタイプの馬なのかもしれない。

タイプの異なる最強クラスが複数参戦

 そのジオグリフを共同通信杯で2着に負かしているのが、皐月賞とダービーでともに4着だったダノンベルーガ(牡3歳、父ハーツクライ、美浦・堀宣行厩舎)だ。右トモに不安があるので、そこが外側に来る左回りのほうが力を出しやすい。ここは堀調教師が「国内のGIでは最も適性があると感じる」と話している舞台。皐月賞で2番人気、ダービーで1番人気に支持された素質馬が、大仕事をやってのけるシーンは十分あり得る。

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