さらに今年2月、ヤクルトのキャンプの宿舎で、古田臨時コーチと東大出身の宮台康平選手（今季限りで引退と報道された）が盤上で対決した。観戦者の話によると、「白熱した戦いで、見ごたえがあった」という。今後は、ヤクルト選手による将棋の「燕王戦」の実現を期待したい。

渡辺名人が、村上宗隆とつば九郎からもらった贈り物は…

　ヤクルトを熱烈に応援している棋士は渡辺明名人だ。神宮球場でよく観戦しており、東京の将棋会館で夏の時期に対局していて、神宮球場の方から花火の音が連発すると、「ああ、5回が終わったんだ」と思いをはせるという。

　そんな渡辺のチーム愛に対して、ヤクルト球団が応えた。

　2020年の渡辺王将の就位式では村上選手のグローブと色紙、21年の同就位式では村上選手のサイン入りバットが、それぞれ贈られた。22年の渡辺棋王の就位式では、マスコットキャラ「つば九郎」が来場し、神宮球場の年間ペアシート券が贈られた。

つば九郎は渡辺棋王の就位式に姿を現した　©Kyodo News

　ヤクルトとオリックスが対戦した2022年の日本シリーズでは、1勝2敗1分けとリードされたオリックスが第5戦の9回裏で、主砲の吉田正尚選手の2点本塁打でサヨナラ勝ちしたのが、結果的に大きかったと思う。

　中嶋聡監督が率いるオリックスが4勝2敗1分けでヤクルトを破って優勝し、イチロー選手が大活躍した1996年の日本シリーズ以来、26年ぶりに日本一に輝いた。ただ激闘続きの試合で見せたヤクルトの戦いぶりも、非常に印象的だった。

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