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「盛大な姉妹喧嘩」に因縁のライバル戦…スターダム・リーグ戦優勝のジュリアが語った決意「私が赤のチャンピオンになる」《特別グラビア》 

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橋本宗洋

橋本宗洋Norihiro Hashimoto

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2022/10/25 17:28

「盛大な姉妹喧嘩」に因縁のライバル戦…スターダム・リーグ戦優勝のジュリアが語った決意「私が赤のチャンピオンになる」《特別グラビア》<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

5★STAR GPで優勝を果たしたジュリア。数々のドラマティックな試合を制しての戴冠だった

 たむがジュリアの得意技グロリアスドライバーを繰り出せば、ジュリアはたむのバイオレット・スクリュー・ドライバーを決める。意地を張れるだけ張り合って、最後はジュリアがノーザンライトボムでフォール勝ちを収めた。武道館での髪切りマッチを解説席で見届けた、北斗晶の技だ。試合後、インタビュースペースでジュリアは言った。

「優勝できたのは熱い応援と大事な仲間、ライバル、そういう大切な人たちがいてくれたおかげ。今日という日に鈴季すず、中野たむと闘えたのは感慨深い」

 こうして振り返ると、ジュリアには熱くなれる相手、ドラマティックな意味を持つ試合が多かったのだと分かる。単に強いとか個性があるというだけでなく“関係性”作りの名人と言っていいのではないか。

ジュリアが狙う“赤いベルト”への思い

 優勝者の権利として、ジュリアは“赤いベルト”ワールド・オブ・スターダム王座挑戦を表明した。

「ずっと白いベルトにこだわってきたんですけど、ある時(団体エグゼクティブプロデューサーの)ロッシー小川さんと話をして。“もっと広い視野で考えてもいいんじゃないか”、“次の段階に行くのも大事”って言われたんですよ」

 舞台は12月29日、両国国技館。その時点でのチャンピオンと闘うことになるが、ジュリアは現王者の朱里に挑戦したいと考えている。

 立ち技格闘技Krush、総合格闘技パンクラスでもベルトを巻き、さまざまなプロレス団体で結果を出してきた朱里がスターダムに参戦することになった時に「ぜひ一緒に」とユニットDDM(Donna del Mondo)に誘ったのがジュリアだ。2人でタッグチャンピオンにもなった。

 今年3月、ジュリアが赤いベルトに挑戦する際にタッグ解消。朱里は自身のユニットGod's Eyeを結成する。ここにも深い関係性、すなわち信頼とライバル心がある。

「朱里は防衛戦でも凄い試合をしてきてますよね。前から言ってるんですけど、朱里は強さの象徴で、スターダムの守護神であると思います。だけどチャンピオンになって打ち出した“朱世界”というテーマは私には伝わってこない。だから今のうちに“朱世界”を存分に見せてほしいです。それを超えて、私が赤のチャンピオンになるので。タイムリミットはもう残り少ないですよ」

 赤いベルトを手にすることで、ジュリアのキャリアは次なる段階へと進む。曰く「過去の自分も超えたい」。スターダムの風景も大きく変わるだろう。そして赤いベルトの王者になることで、また新たな関係性も生まれてくるはずだ。

《つづく》

#2に続く
スターダム・ジュリアが語る“危険論”への本音とプロレス観「見る人は気にせず。ただ、どこかでストップをかけないと」《特別グラビア》

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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