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ボクシング拳坤一擲BACK NUMBER
「那須川天心との対戦はある?」K-1出身・武居由樹26歳の答えは…5連続KO勝ちでタイトル奪取も「ボクサーとしての完成度は40%」
text by
渋谷淳Jun Shibuya
photograph byHiroaki Yamaguchi/AFLO
posted2022/10/25 17:01
圧巻の5連続KOで東洋太平洋王者となった武居由樹。自身と同じくキックからボクシングへの転向を表明している那須川天心についても語ってもらった
――あの飛び込んでの右フックは強烈です。ボクシングでもバンバン倒しています。
あれはPOWER OF DREAMに来ていた総合格闘技の選手が打っていたパンチなんです。それを他の子と真似したのが始まりですね。そもそも僕は他の選手の映像をほとんど見ないんですよ。だからいまでも大橋ジムにいる選手の動きを生で見て学んでいます。(井上)尚弥さんはもちろんですけど、大橋ジムはトップ選手が多いですから。他人の動きを見て、トレーナーの八重樫(東)さんに「あの人の動きってこうですよね?」とか聞くことが多いです。
――ということは、いわゆる「憧れの選手」とか「理想の選手」とかはいない?
いないです。ボクシングの世界チャンピオンもほとんど知らないです。自分と同じスーパーバンタム級のチャンピオンの試合も最近やっと1回見たくらいで。でも、キック時代も他の選手の映像はほとんど見ませんでした。もちろん試合が決まれば対戦相手の映像は見ますけど。
那須川天心とは「お互い、いいときにやりたい」
――さて、話は変わりますが、同じキックボクシング出身の那須川天心選手がボクシングに転向すると宣言して話題を呼んでいます。武居選手はアマチュアキックボクシング時代に拳を交えたこともあるそうですが、ボクシングでの対戦を期待する声が多くありますね。
よく言われます(笑)。なんとなくですけど、キック時代から「いつかはやるのかな」という感覚は持っています。ただ最初とかじゃなくて、お互いに勝っていって、いいときにやりたい。だからそれまでは一戦も負けられないという気持ちがあります。
――6月に開催されたキックボクシングのイベント『THE MATCH 2022』では那須川選手とK-1の武尊選手が対戦しました。試合をご覧になったと思います。
会場で見ました。僕はK-1出身なので武尊選手に勝ってほしいという気持ちだったんですけど、同時にボクサーとしては那須川選手には無敗でいてほしい、という思いもあったんです。だから複雑でした。那須川選手が無敗のままボクシングに転向してくるという点は良かったと思います。