「甲子園のヤジがすごかった」近江・多賀監督が明かす“浅野翔吾vs山田陽翔”の舞台裏…申告敬遠は“一つの勝負”なのか？

――まずは三回表の2打席目、1アウト一塁の場面について。1番・浅野翔吾君の弾丸ライナーでバックスクリーンに飛び込んだ同点2ランですが、この夏、もっともインパクトのある打球でした。ベンチから見ていて、どのように映っていたのでしょうか。山田陽翔君は打たれた瞬間、センターを指さしていましたが、入ると思いましたか？

多賀　打球音と、とらえ方を見とって、間違いなくオーバーフェンスするなと思いましたね。彼の打球は低くても、グーンと伸びるんですよ。4年前にうちにいた北村（恵吾＝中央大4年）という選手と、打球の質が似ていました。浅野君本人も打った瞬間、「いった」と確信していましたよ。山田は「センター！」って指をさしていましたけど、あれが山田のいいところ。どこへ飛んでも必ず声をかける。「ショート！」とかね。常に試合の中に“入っている”ので、ホームランであろうとなかろうと反射的に出ちゃうんですよ。あれこそ、戦う者の姿勢だと思いますね。

近江・山田陽翔 ©Hideki Sugiyama

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敬遠か、勝負か…2打席目前の“迷い”

――浅野君が打席に入る前、伝令を送っていましたが、あのときは、どのような指示を出したのでしょうか。

多賀　「歩かせてもいいぞ」と。嫌な感じがしたんですよね。先頭の8番バッターをフォアボールで歩かせていたので。二回裏に1点を取って、2-0とした直後でもありましたから。何が何でも失点は防ぎたいところでした。

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