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大谷翔平にとってW規定到達は「どちらもいける範囲内の数字という認識」だった…過密日程、ウィルス性胃腸炎も乗り越えた今季の鉄人ぶりを振り返る

posted2022/10/07 20:00

 
大谷翔平にとってW規定到達は「どちらもいける範囲内の数字という認識」だった…過密日程、ウィルス性胃腸炎も乗り越えた今季の鉄人ぶりを振り返る<Number Web> photograph by AFLO

今季最終戦で既に達していた規定打席だけでなく、規定投球回数にも到達した大谷。日本でも成し遂げていない偉業だが、本人が語ったのは…

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四竈衛

四竈衛Mamoru Shikama

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 「偉業」の重みは、おそらく成し遂げた本人でさえ実感できなかったに違いない。

 メジャー5年目のエンゼルス大谷翔平が、1900年以降の近代メジャーリーグでは史上初となる「規定打席(502)」と「規定投球回(162)」を同時にクリアした。あと「1イニング」で臨んだ10月5日、今季最終戦となった敵地アスレチックス戦に先発。5回1失点と好投しながら敗戦投手となったものの、最終的に計166イニングに到達した。究極の二刀流とも言える歴史的快挙で、長丁場の162試合を締めくくった。

 全日程を終えた大谷は、涼しい顔で「偉業」を振り返った。

「本来は、こだわりはないんですけど、(2つの規定に到達できるかは)本当にやってみないと分からない。自分として目指していく数字なのかどうかは、やっぱり分からないので、それが分かったのは良かったかなと思います」

 意識はあっても、必死になって目指していたわけではない。前人未踏の数字にこだわることなく、サラリとクリアしたのも、これまで球界の常識を覆してきた大谷らしかった。

批判を実績で跳ね返してきた大谷

「二刀流」としてフルシーズンを完走した証だった。今季、「規定打席」をクリアしたのは、メジャー全体で130人、「規定投球回」を超えたのは45人。それぞれ1球団あたり4.3人の打者、1.5人の投手しかおらず、いずれも主軸打者とエース級に限られる。162試合の長丁場で、大谷が完全休養したのは、わずか5試合。NPB日本ハム時代には、2014年、15年に規定投球回をクリアした。だが、渡米後は右肘手術などもあり、手の届かない数字だった。

 2018年、メジャーに挑戦した際、米国内では「二刀流」でのプレーは不可能、またはいずれかに専念すべきとの声が大半だった。ただ、日本ハム入団後も、同じような批判を実績で跳ね返してきた。限界点を定めない大谷からすると、「ダブル規定到達」は、おそらく目指すべき数字ではなかった。

【次ページ】 開幕延期により、例年以上の過密日程だった

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