甲子園の風BACK NUMBER
“三冠王の兄”村上宗隆が弟に明かした「なぜプロ野球で活躍できたか」…村上慶太・高卒プロ志望の裏に“ヤクルト選手たちとの交流”も
text by
樫本ゆきYuki Kashimoto
photograph byYuki Kashimoto
posted2022/10/06 11:01
プロ志望届を提出した村上慶太。10月20日のドラフト会議で指名を待つ
高卒プロ志望へ変えた“宗隆のアドバイス”
甲子園の経験が自信になったから、プロを目指すのか? そう思って質問すると、意外にも首を横に振って「そうじゃないです」と答えた。ここにも宗隆の一言が大きく影響しているという。
「兄ちゃんから言われたんです。『高校でいい選手だったとしても、プロに行ったらそんなの関係なくなる。練習したやつが勝つ。だからお前も覚悟を決めてプロの世界で練習すればいい。プロで活躍できるチャンスはある』って。高校で悔しい思いをしたので、プロに入ったらどこにも負けないように練習して活躍したいなと思いました」
実力があるからプロで活躍できるのか? 答えはNO。プロの世界はそんなに甘くはない。兄から「努力するから活躍できる」というメッセージを聞き、より決意が固まったそうだ。
忘れられない“ヤクルト選手たちとの交流”
ヤクルトリーグ優勝の瞬間は9月25日が日曜日だったこともあり、家族と一緒に目の前で見ることができた。セレモニーのあと、自分もグラウンドに降りてビールかけを間近で見て、胸が躍った。「プロ野球は夢がある」。ワクワク、ドキドキする気持ちをヤクルトの選手たちの楽しそうな姿から浴びた。
「自分、中学生のとき、ファン感謝祭に川端慎吾さんに呼ばれて行って、ファンの前で紹介されたことがあるんです。ビジョンに自分の顔が映って『うわー何しゃべっていいかわからん~』って頭がまぜくった(混乱した)んですけど、ヤクルトの人がみんなハイタッチしてくれて楽しかった。みんな優しかったんです。プロ野球って楽しい世界だなってあの時から思いました」
中学時代、ヤクルト選手たちが見せてくれた「ワクワクする世界」。それを教えてくれる尊敬する兄がいて、挑戦する気持ちに火をつけてくれた。10月20日のドラフトは、どんな結果になっても受け入れる準備はできている。
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。