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あのメイケイエールが“オリコン3位”にランクイン! なぜ競走馬の写真集がブームに?「馬への愛情の向け方が変わってきている」 

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曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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photograph by2020 Kosaido Publishing / GUIDEWORKS CO.,LTD.

posted2022/10/01 17:01

あのメイケイエールが“オリコン3位”にランクイン! なぜ競走馬の写真集がブームに?「馬への愛情の向け方が変わってきている」<Number Web> photograph by 2020 Kosaido Publishing / GUIDEWORKS CO.,LTD.

なぜ、いま競走馬の写真集が人気なのか? 企画を担当した編集者に話を聞いた

 セントウルステークスを快勝したことも追い風となり、写真集は発売直後に重版が決定。9月26日付のオリコンの週間写真集ランキングでは、日向坂46やAKB48の“リアルアイドル”に混ざって3位に食い込んだ。

「美女としか言いようがない」メイケイエールの素顔

 なぜ、メイケイエールはこれほど絶大な支持を集めているのか。ソダシやメロディーレーンとは異なり、身体的に明確な特徴があるわけではないようにも見えるが、山本さんは「パシュファイヤー(馬具)を外した素顔が、とにかく綺麗なんです」と熱弁する。

「稀代のイケメンだったトウカイテイオーの系譜に連なるような、正統派の美形。バラの形のような流星も気品があって、美女としか言いようがない。写真集のコンセプトも“素顔のメイケイエール”ということで、武調教師やオーナーサイドにご了承いただいて、ノーザンファームしがらきでリラックスしている姿を新たに撮りおろしました。トレセンにいるときよりも顔がリラックスしていて、それがまたかわいらしいんですよ(笑)」

 同写真集ではアップの写真(接写)にもこだわっており、「顔やたてがみの三つ編み、毛並みや筋肉まで、360度あらゆる角度から高解像度でメイケイエールの美貌を楽しめます」とのこと。写真集のタイトルにもなっている『一生懸命、全力疾走』というレースでのキャラクターと、可憐な素顔。そのギャップが、多くのファンを虜にしている要因なのだろう。

「関係者のみなさまにも素敵なコメントをいただいて、池添騎手による『可愛いという言葉がピッタリな仔なのに、走り出したら…(笑)』という帯文もすごくバズりました。厳密に集計したわけではありませんが、Twitterでの反応を見るかぎり、ご購入いただいた方の半分以上が女性ではないでしょうか。そして競馬のギャンブル面に軸足を置いた“馬券派”のファンというよりも、人間のアイドルと同じような文脈で応援している方が多い。社会現象というと大げさかもしれませんが、馬への愛情の向け方が変わってきている印象を受けますね。『ウマ娘』のブームや、引退馬支援への関心が高まっていることも関係しているように思います」

 写真集のヒットを通して見えてきたのは、ハイセイコーやオグリキャップのような“時代を象徴する名馬”とは異なる現代のアイドルホースのあり方と、競馬ファンの変化、そして多様化だった。メイケイエールが持ち前の一途な走りでスプリンターズステークスを勝利すれば、その流れはますます強くなっていくのかもしれない。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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