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「感謝、拍手、分断、反発…」賛も否もコントラスト強めなスポーツ紙の“国葬報道”で、どこより辛辣だったのは? 

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プチ鹿島

プチ鹿島Petit Kashima

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posted2022/10/02 06:00

「感謝、拍手、分断、反発…」賛も否もコントラスト強めなスポーツ紙の“国葬報道”で、どこより辛辣だったのは?<Number Web> photograph by KYODO

日本武道館に設けられた祭壇。内閣府は国葬の参列者数を速報値として4183人と公表した

 続いてデイリースポーツ。

『分断生んだ安倍氏国葬』
『菅氏弔辞に昭恵さん涙』

 分断という文字が目立ちます。

 東京中日スポーツは16面で『2万人動員 最高レベルの警戒態勢』。騒然とした感じが伝わってくる。

 日刊スポーツもぶち抜きの2面構成で、

『賛否割れたまま安倍氏国葬 岸田政権への反発必至か』

 見出しの文字が他紙よりひときわ大きかった。10月の臨時国会は旧統一教会問題が最大テーマになると書く。日刊スポーツの名物コラム「政界地獄耳」のこの日のタイトルは『首相・岸田文雄の判断ミスを総括 誰のための国葬だったのか』。

《7月22日に国葬の閣議決定。このころには国葬の法的根拠が問われ始めており、一方で説明すればするほど世論調査は反対が増えていった。官邸は学校は休みにしない、国民に弔意は求めないなど規模の縮小に努め、国葬という名の限りなく内閣・自民党葬の拡大版程度に収めようとしたが、結果、中途半端な印象を国民に与えた。》

  費用についても「国葬が終わったあとに公表する」と言ってみたり、不信感が募ると結果的に公表せざるを得なくなったりと、とにかく迷走。「誰のための国葬だったのか」と書いてコラムは終わる。

「最後」連発の激辛論調

 さて国葬を報じるスポーツ新聞のなかで最も印象的だったのはスポーツニッポンだった。“最後”というキーワードで見出しを並べたのだ。

『昭恵夫人“最後”まで夫を愛し』そして『岸田首相“最後”が見えてきた?』

 岸田首相の最後って何? と思いながら読むと、まず首相の追悼の辞に対して、

《首相の言葉は秘書官や官邸スタッフが書いたのか、菅氏とは対照的に心を打つものがなく、存在感のなさが際立った。》

 厳しい……。

【次ページ】 やっぱり独自路線の夕刊紙

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