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村上宗隆・三冠王の関門は首位打者…打率降下で大島洋平と「1厘差」、山本由伸が近づく「史上初快挙」とは〈タイトル争い〉
posted2022/09/28 11:04
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph by
Hideki Sugiyama
セ・リーグではヤクルトが優勝。パ・リーグではソフトバンクとオリックスが競り合っているが、投打のタイトル争いも最終局面だ。
9月27日時点での各部門の5傑を見て、最終盤を展望してみよう。カッコ内は残り試合。◎はタイトル当確。
三冠王を狙う村上の打率が急降下している
・セ・リーグ
<打撃部門>
□打率
1村上宗隆(ヤ).320(5)
2大島洋平(中).319(4)
3佐野恵太(De).306(6)
4宮崎敏郎(De).297(6)
5近本光司(神).296(2)
ヤクルト村上の打率が急降下。大島とは1厘差となった。ともに試合数を残しており、史上最年少三冠王なるかどうかは予断を許さない状況になってきた。大島は36歳で初の首位打者獲得に近づいている。
□安打数
1岡林勇希(中)155(4)
2近本光司(神)154(2)
2中野拓夢(神)154(2)
4佐野恵太(De)154(6)
5村上宗隆(ヤ)151(5)
5坂倉将吾(広)151(3)
中日の岡林は9月26日の巨人戦で3安打し、一挙に首位に立った。タイトルの行方は最終盤までわからない。残り試合数が多いDeNA佐野が有利か。
□本塁打数
1村上宗隆(ヤ)55(5)◎
2岡本和真(巨)30(2)
3丸佳浩(巨)27(2)
4牧秀悟(De)24(6)
4ポランコ(巨)24(2)
4中田翔(巨)24(2)
タイトルの行方ではなく、残り5試合でヤクルト村上が何本積み上げられるかに興味が集まる。
□打点
1村上宗隆(ヤ)132(5)◎
2大山悠輔(神)87(2)
3牧秀悟(De)85(6)
4佐藤輝明(神)84(2)
5岡本和真(巨)81(2)
打点もヤクルト村上の初タイトルが確定的。2位の大山に対して40打点以上の差をつけている。
□盗塁
1近本光司(神)30(2)◎
2塩見泰隆(ヤ)24(5)
3中野拓夢(神)22(2)
3岡林勇希(中)22(4)
5島田海吏(神)20(2)
1位阪神・近本と2位ヤクルト塩見の差が6差になった。ヤクルトの残り試合は多いが、届かないか。
□出塁率
1村上宗隆(ヤ).461(5)◎
2大島洋平(中).377(4)
3丸佳浩(巨).369(2)
4佐野恵太(De).364(6)
5宮崎敏郎(De).362(6)
ここにきて打率こそ下がっているが、村上は出塁率で4割を大きく超えている。2回目の同タイトル獲得が確定的となっている。
最優秀防御率は阪神の青柳と西の争いに
<投手部門>
□防御率
1青柳晃洋(神)2.05(2)◎
2西勇輝(神)2.18(2)
3大野雄大(中)2.46(4)
4戸郷翔征(巨)2.65(2)
5小川泰弘(ヤ)2.75(5)
阪神の西はあと1回の先発か。9回完封しても2.059で同僚・青柳には届かない計算となった。
□勝利数
1青柳晃洋(神)13(3)◎
2戸郷翔征(巨)12(2)
3大貫晋一(De)11(6)
4森下暢仁(広)10(3)
5今永昇太(De)10(6)
巨人の戸郷もあと1試合投げる可能性がある。青柳に並ぶことができるか?
□勝率
1青柳晃洋(神)0.765(2)◎
このタイトルは「13勝以上」となっている。青柳は28日、13勝目を挙げてタイトルが確定した。
□奪三振数
1戸郷翔征(巨)147(2)◎
2小笠原慎之介(中)133(4)
3青柳晃洋(神)132(2)
3高橋宏斗(ヤ)132(5)
5森下暢仁(広)130(3)
中日の小笠原は1試合投げる可能性はあるが、戸郷に追いつくのは難しいだろう。
□セーブ数
1R.マルティネス(中)37(4)
1マクガフ(ヤ)37(5)
3大勢(巨)36(2)
3山崎康晃(De)36(6)
5栗林良吏(広)31(3)
3位タイのDeNA山崎まで、4人にタイトルの可能性がある激戦となっている。残り試合が多い山崎が有利か。
□ホールドポイント
1湯浅京己(神)43(2)
1ロドリゲス(中)43(4)
3伊勢大夢(De)42(6)
4エスコバー(De)38(6)
5清水達也(中)33(4)
3位のDeNA伊勢までタイトルの可能性がある。阪神の湯浅がとれば新人王に一歩近づくが、どうなるか。