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「今は脱ぎたくない」熊本移住、井手らっきょ62歳が裸芸を封印していた!「くりぃむ上田晋也の兄と一緒にモルックにハマっています」
text by
甚野博則Hironori Jinno
photograph byTakuya Sugiyama
posted2022/09/26 11:04
2018年から熊本に移住し、カラオケスナックを経営する井手らっきょ。その暮らしぶりを聞くと…
井手 いや、ぶっつけ本番ですよね。でも、ジョイナーと対戦した時は、ちょっと練習しました。その頃、陸上のトップアスリートの井上悟さん(100m元日本記録保持者、1992年バルセロナ、1996年アトランタ五輪に出場)に色々と習っていまして、例えば、トレーニングジムでマシンをやった後に、その場で陸上と同じ腕の振りをして、陸上の筋肉として身体に覚えさせたりしていました。
ジョイナー「PAKKYO」
――勝てると思っていたんですか?
井手 ジョイナーには勝つとは思いませんでした。だけど何とかしたいとは思った。向こうも日本のコメディアンが相手だし余裕だったんでしょうね。ウイニングランをするつもりで、星条旗を持っていましたから。僕もまあ、とりあえず一生懸命やって、どこまでついていけるかなと思ってドキドキしていました。で、スタートでバーって走って。僕、スタートは、めちゃくちゃよかったんですよ。でも、50mぐらい走ったところで、この辺りでジョイナーが来るんだろうなと思っていた。そろそろ来るよね、来るよねって思っていたら、あれ? 来ないと思って、そのままゴール。勝っちゃったよ、みたいな。
――ジョイナーさんはどんな反応でしたか?
井手 向こうもショックな顔をしてましたよね。でジョイナーが、「コングラチュレーション」と言ってきて、自分のスパイクを脱いで、そこにトゥー、ラッキョって書いてくれて。僕の名前は「RAKKYO」なんですが、スパイクを見たら最初がPになってて「PAKKYO」と書かれていた。フィリピンのボクサーか、みたいな。でも、サンキューって言いました(笑)。
そのスパイクは今年放送された『開運!なんでも鑑定団』(テレ東系)に出して45万円の評価額がついたので、今事務所の金庫に保管してあります。でもまあ、貴重な体験だったですね。まさかジョイナーやベン・ジョンソンと走れると思わなかったですから。
ダーツのプロになりたかったんですよ
――ここ(取材場所となったカラオケスナック『らっきょの小部屋Ⅱ』)はいつから営業されているんですか。
井手 2018年の4月末からです。1号店は川崎にあって、そこはダーツバーでした。
――なぜダーツバーを?