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キック界の“那須川天心ロス”を癒やすのは誰か? 惜敗の原口健飛に辛勝の海人、かつて魔裟斗が放っていた「ホンモノのオーラ」を持つものは… 

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布施鋼治

布施鋼治Koji Fuse

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photograph bySusumu Nagao

posted2022/09/09 11:01

キック界の“那須川天心ロス”を癒やすのは誰か? 惜敗の原口健飛に辛勝の海人、かつて魔裟斗が放っていた「ホンモノのオーラ」を持つものは…<Number Web> photograph by Susumu Nagao

鬼の形相でペットパノムルンを攻める原口健飛。昨年敗れたGLORY世界フェザー級王者相手に延長ラウンドまで奮闘したが、わずかに及ばなかった

若き日のフグや魔裟斗が放っていた“スターのオーラ”

 ホンモノのスターは特別な存在だ。

「あのカッコいい外国人は誰?」

 かつて筆者はブレイク寸前のアンディ・フグとカフェに入ったとき、周囲の若い女性たちがざわつくのを見逃さなかった。

「キャ~ッ、いい男! 無料でいいから飲んでいって!」

 ムエタイ修行中の若かりし頃の魔裟斗とバンコクの歓楽街をふたりで歩いたときには、外で客待ちをしている現地のホステスの間で魔裟斗争奪戦が勃発し、慌てて近くの居酒屋に逃げ込んだ。これからスターになる者は、まだ何者かになっていなくても人を惹きつけるオーラを発しているのかもしれない。

 那須川もそうだ。数年前、札幌の格闘技イベントでのエキシビションマッチに出場した際には、会場入り口に群がる無数の出待ちを目の当たりにして、ブレイクを予感した。案の定、その後は素顔で街を歩けないほどビッグな存在になった。

 トップにそういう存在がいなければ、子供や異性は見向きもしない。とはいえ、ポスト天心を巡る争いはスタートしたばかり。那須川は昨年6月にRIZIN東京ドーム大会で自身と闘った大崎孔稀に期待を寄せる。大崎は那須川と拳を交わしたことをきっかけに、SNSでの発信に力を入れるようになった。

 そのほかにも注目株は枚挙にいとまがない。強いていえば、今年4月に那須川のRISE卒業マッチの相手を務めた風音を推したい。素顔は典型的な三枚目ながら、ファイターモードになったときのやる気は魅力タップリ。来る10月15日に開催されるRISE大田区総合体育館大会では、RISEスーパーフライ級王者で大崎孔稀の実兄である“やさしい怪物”大崎一貴に挑戦する。この一戦の勝者がポスト天心に一歩近づくか。

 そこそこの人気選手などいらない。誰か天心ロスを癒してくれ。

記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。

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