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佐々木朗希と“あの甲子園“以来のバッテリー「むちゃくちゃ緊張しました」ロッテ佐藤都志也(24歳)が驚いた1年前とは異次元のキレ
posted2022/09/09 11:00
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千葉ロッテマリーンズ取材班Chiba Lotte Marines
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Chiba Lotte Marines
2020年1月、千葉ロッテマリーンズの新人選手たちはキャンプインを前に先乗りで石垣島に入り、身体を動かしていた。
マリーンズは前年のドラフトで“令和の怪物”の獲得に成功。キャンプ地・石垣島は「佐々木朗希フィーバー」に沸いていた。東洋大学からドラフト2位でプロ入りした佐藤都志也捕手も一緒に空路、石垣島入り。周囲の異様な熱を感じながら、共に汗を流す日々を送った。
佐藤が22歳の誕生日を迎えた1月27日。練習を終え、ホテルの自室で同期入団の選手たちと談笑していた。部屋には佐々木の他に横山陸人投手、同じ大卒の植田将太捕手、本前郁也投手と新人バッテリー陣が集合。和やかな雰囲気で時間が流れた。
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だが、会話に少しばかりの間が空いたとき、横山から「ちょっと話がしたいです」と部屋の外に呼ばれた。その場で会話を続けてもいいような内容だっただけに首を傾げ、不思議な気持ちで部屋に戻ると大きなケーキが用意されていた。佐々木が同期の仲間たちと考えたサプライズ企画で、大きなそれはもちろん佐藤のバースデーを祝うものだった。
同期の絆を感じさせる嬉しい配慮。今でも忘れられない出来事だという。
佐々木朗希の一軍デビュー戦で悔やまれるミス
それから1年後の2021年5月16日、ZOZOマリンスタジアムが異様な雰囲気に包まれた。背番号「17」がコールされると、今度は球場全体が息を飲むかのような静けさに。佐々木朗希の一軍デビュー戦——日本中の注目を集める舞台で、佐藤はマスクをかぶった。
結果は5回を投げて被安打6、5奪三振、4失点(自責は2)。佐々木に白星も黒星もつかなかったが、ライオンズ打線に若いバッテリーは揺さぶりをかけられ、盗塁は5つも許した。
佐藤にはこの試合で悔しがるプレーがある。4対3で迎えた5回表2死三塁のピンチでボールを後ろに逸らし、リードを失ってしまった(記録は佐々木の暴投)。まだ佐々木に白星がつく可能性があったシチュエーションだっただけに、スタンドから大きなため息が漏れた。
「ボールをそらして同点にされたのはよく覚えています。自分がうまく処理をしていれば勝てたかもしれなかった」