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“フェリス卒お嬢様”桜井まいは激痛ハードコアマッチで何を学んだ?「自分が弱すぎて…」涙に暮れた日から“憧れ”ジュリアと肩を並べるまで 

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原壮史

原壮史Masashi Hara

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photograph byMasashi Hara

posted2022/08/03 11:00

“フェリス卒お嬢様”桜井まいは激痛ハードコアマッチで何を学んだ?「自分が弱すぎて…」涙に暮れた日から“憧れ”ジュリアと肩を並べるまで<Number Web> photograph by Masashi Hara

7月23日に名古屋国際会議場で開催されたスターダム『SHOWCASE』。ジュリア(左)とタッグを組み、鉄柱を担いで入場する桜井まい

「桜井、お前、コズミック・エンジェルズなんかにいて負けてばっかりだよな。そんなんじゃ強くなれねえよ。お前のプロレス人生、お先真っ暗になりたくねえんだったら、よく考えた方がいいんじゃないの?」

 悩んだ桜井だったが、最後に上回ったのは、彼女がスターダム参戦表明の挨拶やウナギとの試合後に口にしていた、純粋な「強さ」への欲求だった。

桜井まいは自ら「試練」に飛び込んだ

 2月、桜井はコズエンを脱退しDDMに加入。時を同じくして、所属していた芸能事務所を辞め、プロレスに専念することも決断した。

 2月21日にはコズエンとの6人タッグマッチで月山からピンフォールを奪い勝利。いきなり結果を出してみせると、5月にはジュリアとのタッグでゴッデス・オブ・スターダムに挑戦。敗れはしたものの、対戦相手に「下の子の成長は速い」(葉月)、「あのまっすぐな目は好き」(コグマ)と言わせた。敗戦後の悔しがり方からも、「強さ」への並々ならぬ思いが伝わってきた。

 そして、DDMで実力を磨き続けた桜井は、とうとう自力で『5★STAR GP』の出場権を掴んでみせた。試合の内容も、妃南をリストクラッチ式の変形フロントスープレックスホールドで3カウント、琉悪夏をMPR(マイパンロール)で丸め込んで3カウント……と引き出しの数、見せ方ともにレベルアップしていることを感じさせるものだった。もともと得意としていたビッグブーツやエルボードロップなどの威力も増しており、師であるジュリアのフォームに似ているドロップキックも、試合の流れを引き寄せる大きな武器になっている。

 そんな桜井を、『5★STAR GP』前に試練が襲った。いや、正確には自ら飛び込んだ。

 ことの発端は7月8日に開催された『NEW BLOOD 3』。プロミネンスの鈴季すずとジュリアが一触即発になるとそこに桜井が割って入り、ハードコアルールでのタッグマッチが決定したのだ。

凶器の鉄柱を持ち込みハードコアマッチに参戦

 舞台になったのは『5★STAR GP』開幕1週間前の7月23日、名古屋国際会議場。全試合が特殊ルールでの開催となった新たなコンセプトの大会『SHOWCASE』で、スターダム初のハードコアマッチが行われた。

「各自が1つずつ凶器を持ち込む」という試合で桜井が選択したのは、入場ゲート用の鉄柱だった。気合をみなぎらせて初のハードコアマッチに臨んだ桜井だったが、いきなり場外戦で世羅りさにパイプ椅子と竹刀で痛めつけられてしまった。

【次ページ】 「ただの経験では終わらせない」桜井まい31歳の決意

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