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三浦孝太20歳「父のようなスターに」RIZIN2戦目に臨むダイヤの原石を育てた“三浦カズ&りさ子の教え”「家のボスはお母さん(笑)」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2022/07/30 17:03
2021年大晦日の『RIZIN.33』で鮮烈なデビューを飾った三浦孝太。「父のようなスターになりたい」という夢を叶えるため、試金石となる一戦に臨む
「ブラジルのサッカー場のロッカーは普通のカギだと壊されてしまうので、大きいカギをかけたら、ロッカーの後ろの壁を剥がして中に入っていたものを盗られた、と言っていましたね」
全ては経験。だからこそ息子がBRAVEに所属することが決まったとき、父は宮田代表に「特別扱いしなくていい」と頼んだ。当初BRAVE本部がある埼玉県三郷市の寮に入ったのも、父の「きつい環境でやった方がいい」という意向があったからだ。
「お母さんに揃って怒られる(笑)」三浦家の日常とは
しかしながら三浦の存在を知ったRIZINが宮田代表と話し合い、昨年大晦日、さいたまスーパーアリーナという大舞台でデビューする流れになった。
「(人知れず)アマチュア大会でデビューしたとしても、あとから名前で素性がバレる。だったら一発目からRIZINで、ということになり、僕が孝太を説得して出ることになりました」(宮田代表)
榊原信行CEOはRIZINを野球に例え、「プロだけではなく、高校野球やリトルリーグなど様々なカテゴリーで最高峰の試合を組みたい」と語っている。デビュー前から知名度は抜群なので、“育成枠”として起用しようと考えたのだろうか。
三浦は自分が置かれた立場をよくわかっている。だからこそ有名人の二世にありがちな「親が有名だから俺も……」という合わせ鏡のような錯覚に陥ることはない。
「自分は実力で這い上がった父の背中を見ている。小さい頃は、周囲に対して天狗になったような発言をしたこともあったけど、心の底では『こんなんじゃダメ』と気づいていました。そういう部分は父から自然とインスパイアされていた気がします」
また、三浦は母・りさ子さんからも強い影響を受けていることを否定しない。
「お父さんは背中で語って、お母さんはいろいろな観点から僕のことを怒ってくれた。怒られた回数はお母さんの方が断然多い。お父さんとお兄ちゃんと僕は三兄弟みたいな感じで、お母さんに揃って怒られることもあります(笑)。ああ見えて、お母さんは家族みんなを支えてくれるボスですから。みんなで大切にしていきたい」