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三浦孝太20歳「父のようなスターに」RIZIN2戦目に臨むダイヤの原石を育てた“三浦カズ&りさ子の教え”「家のボスはお母さん(笑)」
text by
布施鋼治Koji Fuse
photograph byRIZIN FF Susumu Nagao
posted2022/07/30 17:03
2021年大晦日の『RIZIN.33』で鮮烈なデビューを飾った三浦孝太。「父のようなスターになりたい」という夢を叶えるため、試金石となる一戦に臨む
よほどインスパイアされたものがあったのだろう。7月22日には公開練習を行なったが、その際にはパリ・サンジェルマンのユニフォームを着用して臨んだ。
「(先のフロンターレ戦は)一流選手の立ち振る舞いだったり、見せ方だったり、そういうところを含め勉強になりましたね」
父は「アマチュアからやれ」「特別扱いしなくていい」
上がる舞台はサッカーのピッチからリングに変わったが、意外にも三浦はそれほど大きな違いは感じていないという。なぜ?
「どの競技をやっても、スターになるということは難しい。なので、ピッチであろうと、リングであろうと、結局は変わらない。どこに行っても大変だと思う」
どんなスポーツでも、第一線で活躍するためには人並み外れた身体能力、周囲が脱帽するようなセンス、さらには幾ばくかの運も必要になってくる。三浦はサッカーと格闘技で必要とされる要素は「結局は一緒ではないか」という仮説を立てる。
「サッカーをやるにしろ、センスだけではやっていけない。格闘技もそう。かといってセンスがなさすぎても無理。結局、どの競技もやっていることは違っていても、必要なものは一緒なのかなと思いますね」
三浦のMMAデビューに関しては当初から“親の七光り”という枕詞がついて回る。だからこそ父はアマチュアからのスタートを願い、本人も当初はそうしようとプランニングしていた。三浦を指導するBRAVEの宮田和幸代表(シドニー五輪レスリングフリースタイル63kg級代表)は、こう証言する。
「カズさんも最初はプロからのスタートに反対だったんですよ。『アマチュアからやれ』と。孝太本人もそう宣言していて、僕がやっている大会(BRAVE FIGHT)に出る予定でした」
父はブラジルで修行した若手時代があったからこそ未来が開けたと感じている。今回の対戦相手であるフェリペ“キングハンター”マソーニは、この熱狂とサンバと矛盾に満ちた国からやってくる。三浦はかつてブラジルをよく知る父から「日本とは全然違う」という逸話を聞いた記憶がある。