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夫・五十嵐圭のため料理資格を取得、9年で引越3回…アスリート妻・本田朋子39歳がそれでも「実際には何もサポートできてない」と言い切る理由
text by
小泉なつみNatsumi Koizumi
photograph byKiichi Matsumoto
posted2022/08/31 11:05
2018年に第一子を出産し、母となった本田朋子さん。夫・五十嵐圭選手との結婚と家庭生活について話を聞くと…
――些末な話ですけど、いつ引っ越すかわからない状態だと、大型家具とか買いにくいですよね。
本田 住む地域によっては賃貸物件がほとんど出ていない場合もあって苦労することもありますが、これまで暮らした名古屋も新潟も住み心地は最高でした。で、馴れた頃にまた群馬のチームに移籍になり、今は「群馬サイコー!」ってなってます(笑)。
――素晴らしい適応能力ですね。
本田 ただ、心の奥底にはずっと不安があって消えません。ポジティブに生きていこう、その土地を楽しもうと、普段は負の感情に蓋をしていますが、次どこに行くかもわからないし、引退した後もチームに携わるとなればやっぱり永住はできないですから。
――選手生活が終わってもプロバスケチームに関わるということは、移籍が伴うわけですね。そのことで五十嵐選手と意見が食い違うことは?
本田 今はまだ幼稚園なのでいいのですが、子どもが大きくなってきて自分の世界ができはじめてきたときにどうするか、ですよね。ここ最近は自分のことで悩むことがなくて、夫と息子のことばかり考えています。ただ夫は一般的な会社員の方とは違ってわりと時間の融通がきくので、子どものお世話を一緒にできるのは嬉しいです。
家族は「絶対的なチーム」
――一方で、本田さんご自身のキャリアの予定も立てにくいかと思いますが、そのあたりはどのように考えていますか。
本田 私は、家族というのは「絶対的なチーム」だと思っているので、もっとも優先したいものは家族、家庭なんです。来年、再来年どうなるかわからない環境だからこそ、家族みんなが仲良くあることを大切にしたいし、その基盤がしっかりしていれば、どんな土地に行っても楽しんで生きていけると思っています。
――本田さん、五十嵐選手共にキャリアを重ねてベテランの域かと思いますが、夫婦のあり方も変化していますか。
本田 新婚当初までは夫が一歩下がった感じでいてくれたんですけど、だんだんとアスリートの頑固さみたいなのが出てきてますね。
――具体的にはどんなところに頑固さが出ますか。