本田　とにかく負けず嫌いで、絶対に謝ってこないんです。交際当初はすぐ謝ってくれたのに、今は私が悪くないときもとりあえず「ごめんね」と言って、やっと「俺もごめんね」が出てくる感じです（笑）。あとオンとオフの差が大きくて、コート上ですごく熱くなるんですね。少年みたいな性格だなあと思います。

たとえ無一文になっても…

©Kiichi Matsumoto

――五十嵐選手は現在42歳です。引退について意識することはありますか。

本田　本人は年齢による衰えを感じていないみたいで、「引退」というフレーズはまだ主人の中にないみたいです。家族としては、50歳ぐらいまで現役を続けてほしいですね。私も引退後の生活を考えてほしいとも思わないんです。

――生活への不安でつい、「この後どうするの？」と聞いてしまいそうなものですが。

本田　たとえ無一文になってもこの人となら楽しく生きていける。彼はそういう相手だと思ってます。結婚生活を経て、夫は本当にバスケがすべての人だとわかりました。他に趣味も何もないんです。だから、1日でも長くプロ生活をまっとうしてほしい。だから私は彼をトップアスリートとして長持ちさせられるよう、疲労やダメージを負ったときの回復力アップに力を尽くしていきたいと思います。《#1、#2から続く》

（撮影：松本輝一）