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”悪魔仮面”は来日して「仮面貴族」、”〇〇の殺人鬼”も実は紳士だった…「現在ではご法度のひどい名前も」元東スポ記者が明かす外国人レスラー異名の裏面史
posted2022/07/20 11:00
text by
高木圭介Keisuke Takagi
photograph by
Essei Hara
現在発売中のNumber1055号「伝説継承。 プロレス50年を背負った男たち」にて、新日本プロレスと全日本プロレスの半世紀の歴史を彩った外国人選手を50人ピックアップし、それぞれトレーディングカード風のレイアウトで紹介する「外国人レスラー大図鑑 50年の50人」を担当させてもらった。
世にも珍しい大図鑑が完成
この作業の何が大変だったかというと、50人の絞り込み作業に尽きる。まず最初に資料に頼らず、思い浮かんだままに人気外国人選手をピックアップしてみたのだが、この時点で100人をもオーバーする勢い……ゾッとした。ビッグネームでありつつ、活動のピークが新日本、全日本旗揚げ以前であったボボ・ブラジルやフレッド・ブラッシー、キラー・コワルスキー、ジン・キニスキーらは最初から除外したうえでも、こんな状態なのである。
さらに、ここからいくつかのカテゴリーに分類したいという編集部側の意向により、泣く泣く「同系統」とあって削られた名選手は数知れず。そんなワケでジャック・ブリスコやテッド・デビアス、チャボ・ゲレロやキラー・トーア・カマタら名選手は登場せず、スーパーマリオマンやら、ザ・ロボット、スタルマンら迷キャラクターが、しっかり登場しているという世にも珍しい大図鑑が完成したのでした。
リストを作りながら改めて感服したのは、他のスポーツ界では「助っ人」という認識が強い外国人選手を、ここまで豊富なキャラクターとして世に認知させ続けてきたプロレスというジャンルの懐の深さである。これはスポーツ界に限らず、他の業界に対しても堂々と胸を張れる多様性であり、大らかな部分である。
名レスラーに秀逸な和製の異名あり
そしてもう一つ、そんな彼ら彼女らに付けられたキャッチコピーというか異名の秀逸さだ。名レスラーには必ず、コレといった秀逸な和製の異名がついているものだ。