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松山英樹がメジャーで日本人選手を下回った大会は? 「日本人で1番」というプライドと後輩たちへの期待《全英オープン7年ぶりの“聖地”》
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph byGetty Images
posted2022/07/14 11:03
14日から始まる全英オープンに臨む松山英樹。今大会は7年ぶりに聖地セントアンドリュース・オールドコースでの開催となる
大会には日本勢が7人出場していたが、残念ながら決勝ラウンドを戦ったのは松山ひとりだった。無論、ほとんどの選手が日本とは異なるコース、セッティングへの経験に乏しい。ましてや全米オープンはその中でも最難関の設定が売りでもある。
今年の秋で本格的に米ツアーに参戦して丸10年になる松山にとっては、そんな時こそ、苛烈な争いでしのぎを削ってきたプライドがくすぐられる。負けてたまるか――彼自身には日本人選手の中で、絶対に1番でありたいという強い意志が依然として垣間見える。
そして、確たる熱意に支えられた今あるポジションが、長年脅かされていないのも現状だ。
いつも間にかリーダーボードに上位にいる
アマチュア時代の2011年、マスターズでの初出場から先月の全米オープンまで、メジャーの舞台をキャリアで38回踏んだ。そのうち、21年マスターズの優勝を含めトップ10が9回で、予選落ちは5回。
一緒に出場した日本人選手の順位を下回ったのは、以下の6大会しかない。
《年度・大会(松山の成績)/同大会の日本勢最上位》
2011年・マスターズ(27位)/石川遼20位
2015年・全米プロ(37位)/岩田寛21位
2016年・全米オープン(予選落ち)/宮里優作23位
2016年・全英オープン(予選落ち)/池田勇太72位
2018年・全英オープン(予選落ち)/小平智35位
2019年・全英オープン(予選落ち)/浅地洋佑67位
※2014年全英オープンでは39位で小田孔明と並び最上位、2021年全米オープン(26位)、2022年全米プロ(60位)では星野陸也と並ぶ。
初日に出遅れても、日を追うごとにいつの間にかリーダーボードの上位にいる。松山自身がゲーム中に調子を上げるケースもあるが、淡々と、どっしりと、自分のプレーを進めているうちに、日本人だけではない、周りが勝手に順位を落としていく……という試合が多いように感じる。