ゴルフボールの転がる先BACK NUMBER
松山英樹がメジャーで日本人選手を下回った大会は? 「日本人で1番」というプライドと後輩たちへの期待《全英オープン7年ぶりの“聖地”》
posted2022/07/14 11:03
text by
桂川洋一Yoichi Katsuragawa
photograph by
Getty Images
ゴルフの聖地、セントアンドリュース。
ゴルフルールを司るゴルフの総本山、R&Aが拠点を構えるスコットランドの海岸線に、その“メーン”であるオールドコースはある。
と言うのも、正式名称セントアンドリュース・リンクスというゴルフ場は7つ(他にバルゴブ、キャッスル、エデン、ジュビリー、ストラスタイラム、ニュー)のコースからできており、オールドコースはそのうちのひとつ。そして600年以上前に完成した世界最古のゴルフコースと多くで信じられている。
現存する世界最古のゴルフトーナメント・全英オープンは今年、節目の150回大会として当地で行われる。英国の名門コースを数年おきに巡る全英で、セントアンドリュースは最多の30回目の開催となる。ちなみに1860年(桜田門外の変が起こった年であり、エイブラハム・リンカーンが大統領に当選した年でもある)の第1回大会からはプレストウィックという別コースで行われた。セントアンドリュースでの初開催は第13回大会の1873年だった。
松山英樹ら6名の日本人が参戦
2015年大会以来、7年ぶりに聖地を舞台にする今年、日本勢は7人がこのメジャーに挑戦する。
そもそも全英は1932年、宮本留吉が日本人選手として初めて出場した、男子ゴルフの現行4大メジャートーナメントでもあった。セントアンドリュース大会には1960年、島村祐正が初挑戦。当地で日本勢が初めて予選を通過したのはジャック・ニクラスが優勝した1978年、青木功(7位)、尾崎将司(14位)、中嶋常幸(17位)のAONである。
今回、聖地で日の丸を背負うプレーヤーはそのほとんどが日本を主戦場にしている。国内ツアーで賞金ランク上位の比嘉一貴、桂川有人、星野陸也、今平周吾。金谷拓実とアマチュア世界ナンバーワン・中島啓太はいずれも今シーズン3回目のメジャー参戦になった。
そして、松山英樹。
1月のソニーオープンinハワイですでにシーズン2勝目を挙げた後、最終局面で優勝争いを演じる機会が少ないとはいえ、6月の全米オープンでは久々に快進撃を見せた。
17位から出た最終日に5バーディ、見事なボギーなしで回り、ベストスコアの65をマーク。優勝した昨年のマスターズ以来のメジャーでのトップ10入りとなる4位で、メジャー王者たる所以を見せつけたと言える。