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大谷翔平、球宴ファン投票2位で決選投票へ…米ファンが推す「アストロズの25歳大砲」とは何者か
text by
四竈衛Mamoru Shikama
photograph byGetty Images
posted2022/07/02 17:02
MLBのオールスターファン投票で1位のヨーダン・アルバレス(左)と2位の大谷翔平(右)。決選投票は5日(日本時間6日)から行われる
それでも、全国的な知名度、人気度からすれば、昨季、「二刀流」の活躍でスーパースターとなり、MLBのビデオゲームの表紙に選ばれた大谷の得票が伸びないのは不思議に映るかもしれない。だが、米国のファンの多くは、オールスターが好きな選手に投じる「人気投票」ではなく、実績を評価したうえでの投票であることを、強く認識しているに違いない。
大谷が2年連続の球宴出場を果たすには……
実際、6月末時点でアルバレスは、打率3割1分6厘(リーグ5位)、23本塁打(同2位)、56打点(同3位)と、打撃3部門すべてで大谷の数字を上回っており、前半戦の「トップDH」であることは疑いようがない。アストロズの主力選手には、17年のサイン盗み事件の影響で依然としてマイナスイメージが残っているものの、19年にデビューしたアルバレスは事件に関与しておらず、温厚な性格もあり、クリーンな印象が浸透しているのも、プラス材料だろう。
ア・リーグ最多得票のアーロン・ジャッジ(ヤンキース)が376万2498票、ナ・リーグ最多のロナルド・アクーニャ(ブレーブス)が350万3188票と、いずれも300万票を超えていることからも、倍近い差のある大谷の得票数は、確かに物足りないかもしれない。ただ、成績上位の選手を差し置いて、人気度で「トップ当選」するようなことは、目の肥えたファンだけでなく、大谷自身も望んでいないに違いない。たとえファン投票で届かなくても、投打でクオリティーの高さを証明してきた大谷の場合、選手間投票で選出される可能性もあり、2年連続出場への道は残されている。
昨夏、史上初めて投打の「二刀流」で選出され、まさにワンマンショーを演じた大谷は、球宴終了後、しみじみと言った。
「また来られるように、と思わせてくれる素晴らしい経験でした」
メジャーのオールスターが、今もなお、選手にとって「最高の名誉」であり、権威を維持しているのは、人気だけに左右されない、ファンの公平な姿勢によるのかもしれない。
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