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マスクの窓から野球を見ればBACK NUMBER
多数のプロ野球スカウトが最初に推す「1位当確」の大学生外野手とは…? これが野手“ドラ1候補”ベスト10《ドラフト中間報告》
posted2022/06/19 17:01
text by
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph by
KYODO
「ドラフト中間報告」として#1(10位~6位)に続いて、今秋ドラフトで注目される野手5位~1位のランキングを発表していく(野手編全2回の2回目/#1へ、投手編#1・#2も)。
【野手編】5位 福永裕基・三塁手(日本新薬〔専修大←天理高〕・180cm83kg・右投右打・25歳)
毎年ドラフト候補に挙がりながらなぜか指名なく、今季社会人4年目の25歳。それでも「ベスト10」に選んだのは、この選手の野球が若くてフレッシュだから。ポジションに向かって走っていく姿、チェンジになって猛然とベンチバックするその勢いのすごいこと。おさまっていない……「これから」に賭ける意欲が弾ける。
一方で、プロ顔負けのしたたかなバッティング。周知の強打者だから、なかなか勝負してこない。誘い球を一切無視し、選びに選び抜いた1球をひと振りで放り込む……そんな場面を、二度も三度も見ている。
今春のスポニチ大会では、2試合にまたがって3打数連続本塁打。その次の打席が凄かった。シンカー系に崩されながら、ファールで粘って痛烈ピッチャー返しの「粘着力」も発揮。打のバリエーションの豊富さを見せつけた。
50m6秒2でも、気配を消しながらのスタートのカンと瞬発力抜群の盗塁能力に、三遊間も守備範囲にできる流動性が光るフィールディングは「二塁手」もこなせる鮮やかさ。この選手が働けなくて、いったい誰が働けるんだ……そこまでのレベルの選手だ。
【野手編】4位 友杉篤輝・遊撃手(天理大〔立正大淞南高〕・171cm71kg・右投右打)
昨年の大学選手権での高レベルな走攻守を、1年経って今年の「全国」の舞台でも再現して見せたのは、間違いなく高い実戦力を有する証拠だ。
小柄をコンプレックスにしていない渾身のフルスイング。前でポン……じゃない。呼び込んで「瞬発ポイント」を作って、全身の連動で力一杯叩く。昨年の選手権では神宮で堂々の左翼弾。阪神のリードオフマンだった真弓明信選手を思い出す。
深く守って前の緩い打球にも強く、二塁ベース周辺も余裕で守備範囲。阪神・中野拓夢内野手の社会人当時に匹敵するフィールディング能力とみる。
総合力で学生球界No.1遊撃手に推す。