将棋PRESSBACK NUMBER
「藤井聡太叡王とペコちゃん」はカワイイけど… 渡辺明名人3連覇、森内九段らの“二刀流”もスゴい《観る将マンガ家が描く5月の将棋ハイライト》
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byJunsei Chida
posted2022/06/01 11:05
観る将マンガ家・千田先生が描いた「5月の将棋ハイライト」。これまでのイラストは関連記事からもご覧になれます!
さて谷川九段が襲位した「永世名人」は、名人位を通算5期以上保持した棋士に資格が与えられます。渡辺名人はこの3連覇で永世名人まであと「2期」としました。
雪辱に燃えるであろう斎藤慎太郎八段、さらに藤井聡太五冠が初めて臨む順位戦A級を上がってくる強敵に対して、来期どのように戦うのか……すでに2023年名人戦が楽しみで仕方ありません。
2)叡王戦防衛の藤井五冠、キラーの大橋六段はどうなる?
続いては、今月の藤井五冠の対局についてです。
今月は計3局を戦いました。ふと「2021年度ってどうだったんだろう」と思って調べてみたところ、4月は計2局、5月は計5局でした。振り返ってみると一時期イラストで「全対局、描ききれない……」って時期もありましたね(笑)。
余談はさておき、5月の藤井五冠は敗戦スタート(王座戦挑戦者決定トーナメント1回戦)でした。土をつけたのは大橋貴洸六段。将棋ファンにはお馴染みですが……念のため説明すると、大橋六段はメガネや着用するスーツの服装がとてもビビッドな29歳です。この対局ではスーツこそシックなグレーでしたが、パンツは柔らかな桜色で勝負。その効果もあって? 藤井五冠相手に難解な終盤戦を制しました。
藤井五冠の今期王座挑戦を阻んだ大橋六段、本格的に「藤井キラー」としての存在感を強めています。
<藤井vs大橋の対局成績>
17年3月10日 〇藤井-大橋●(新人王戦本戦2回戦)
17年3月23日 〇藤井-大橋●(棋王戦予選3回戦)
17年11月29日 ●藤井-大橋〇(棋聖戦一次予選決勝)
18年1月6日 ●藤井-大橋〇(王位戦予選4回戦)
20年6月10日 ●藤井-大橋〇(王座戦二次予選決勝)
22年5月6日 ●藤井-大橋〇(王座戦挑決1回戦)
これで藤井五冠に対して4連勝となり、通算対戦成績は4勝2敗としました。深浦康市九段と佐々木大地六段の深浦一門がたびたび白星を挙げていることが知られる中、大橋六段は藤井五冠を崩す急先鋒となるのか。その戦いぶりとファッションにも注目です。
さて藤井五冠は第7期叡王戦で今年度初のタイトル防衛に成功しました。
地元・愛知県の名古屋市で行われた第2局のおやつ「コロコロくまさん」を注文。対する挑戦者の出口若武六段も昨年話題になった「コロコロしばちゃん」で応戦……って対局中もファンサービス精神旺盛でした。
三浦九段と糸谷八段の食レポがシュールだった
あと食レポで言えば、昼食の「抹茶フロマージュ」に関しての三浦弘行九段と糸谷哲郎八段のやり取りが衝撃的でした。