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羽生結弦の登場に思わず歓声が…3年ぶりのファンタジー・オン・アイスで魅せた「『羽生結弦のスケート好きだな』って思ってもらえる演技を」 

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松原孝臣

松原孝臣Takaomi Matsubara

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photograph byAsami Enomoto

posted2022/05/30 17:04

羽生結弦の登場に思わず歓声が…3年ぶりのファンタジー・オン・アイスで魅せた「『羽生結弦のスケート好きだな』って思ってもらえる演技を」<Number Web> photograph by Asami Enomoto

3年ぶりに幕張で開幕した「ファンタジー・オン・アイス」。トップスケーターが集まる夢の祭典に、羽生結弦が登場した

 2月の北京五輪のエキシビションから数えて96日ぶりのリンクだった。北京の期間中に負った怪我からの回復は決して順調そのものであったわけではないという。

 それでも披露した4回転ジャンプやトリプルアクセル、そして踊りは、ショーへの責任と自覚をうかがわせた。回復が決して順調ではなかったにせよ、その滑りが健在であることを伝えていたし、この1シーズンで進化を思わせたのと同様の軽快な4回転トウループは羽生の到達点をあらためて示していた。

引退か、それとも…注目される今後の進退について

 北京五輪後、羽生はある事柄で関心を集めてきた。競技生活を継続するか否かである。今春、日本スケート連盟が強化選手を発表したが、羽生は特別強化選手に選ばれた。その際、連盟は基準に沿って選出したものであり、新シーズンについての意思表示を受けた上でのことではないと説明した。それもまた、羽生がどのような選択をするのかへの関心の高さを示している。

 その点も含め、ファンタジー・オン・アイスでの羽生に関心が寄せられた面がある。

 しかし、羽生は公演の初日、意思表示をすることはなかった。

 ただ、公演でのステップ、ダンス、ジャンプ、何よりも観客席とつながろうとする姿が、雄弁に物語っていたことがある。それは、フィギュアスケートへの冷めることのない熱であり、さまざまな演出も含めて、常にプログラムに高い完成度を求める姿勢であり、そこには滑ること、観る人に伝えることを楽しむ羽生がいた。

「『羽生結弦のスケート好きだな』って思ってもらえる演技を」

 北京五輪のエキシビションを終えたあと、羽生はこれからについて、こう語っている。

【次ページ】 「フィールドは問わない、って自分の中では思っています」

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