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羽生結弦の登場に思わず歓声が…3年ぶりのファンタジー・オン・アイスで魅せた「『羽生結弦のスケート好きだな』って思ってもらえる演技を」
posted2022/05/30 17:04
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
Asami Enomoto
場内に、思わず「声」が響いた。止まらない拍手の中に、おさえようとしてもおさえきれなかったであろう、歓声が含まれていた。
熱狂の先にいたのは、羽生結弦にほかならなかった。その姿は、羽生の現在を示すものであり、またその空間は羽生のこれからへとつながる場であるようだった。
トップスケーター達が集まる祭典に羽生が登場!
2022年5月27日、千葉県・幕張で「ファンタジー・オン・アイス」が幕を開けた。シーズンが終わるとアイスショーが相次いで行なわれる。「ファンタジー・オン・アイス」もその1つだ。幕張を皮切りに、名古屋、神戸、静岡とまわり6月26日まで続いていく。海外の著名スケーターをゲストに迎え、またミュージシャンなど他分野の人とのコラボレーションを特色として開催されている。今回もステファン・ランビエル、ハビエル・フェルナンデス、ジェフリー・バトル、ガブリエラ・パパダキス/ギヨーム・シゼロンら、国内組では荒川静香、坂本花織、三原舞依らが全日程に参加する。
羽生もまた、同公演を彩る存在だ。2016年公演こそ怪我の治療の影響で出演しなかったが、その1年を除き、初めて出た2010年を皮切りに毎年参加。ショーに欠かせないスケーターとして数々のプログラムを披露している。
ここ2年は、新型コロナウイルスの影響により中止。3年ぶりの開催となった今回も、開演の2時間以上前から、多くの観客が列を作る。開場とともに観客席が埋まっていく。
オープニングは、スガシカオの『午後のパレード』
ショーが始まる。オープニングから圧巻だった。リンクに進み出た羽生は4回転トウループを跳ぶ。さらに今回参加したアーティストの1人、スガシカオが歌う『午後のパレード』に乗り、切れのある踊りを見せる。
休憩をはさみ後半に移ると、トリが羽生のステージだった。