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苛烈な生存競争を生き抜いた、努力の人のナイスガイ伝説。
posted2022/05/26 07:00
text by
秋山英宏Hidehiro Akiyama
photograph by
Getty Images
'17年全米と'18年ウィンブルドンで準優勝したケビン・アンダーソンが引退を表明した。ツイッターに「この競技にかかわることで得られた素晴らしい物事に感謝している。子供の頃、父は『成功とは結果ではなく、最高の自分になるために努力し、犠牲を払ったかどうかだ』とよく話していた。僕はベストを尽くした」と思いを綴っている。
努力と犠牲(=献身的に取り組むこと)はまさに競技人生のキーワードだった。遅咲きで、米国イリノイ大学で3年間プレーしたのちプロツアーに参戦、初めて四大大会の決勝に進んだのは31歳のときだった。体に負荷をかけすぎたのか、左ひざから肩、ひじ、臀部とあらゆる部位の故障に見舞われたが、努力と持ち前の向上心で、'18年7月、32歳にして世界5位に上りつめた。