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「胸元から乳首が見える写真を狙われ…」キューティー鈴木52歳が語る、アイドルレスラー時代の“性的画像被害”と過酷な生活「月給は8万円」
text by
伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph byTakuya Sugiyama/AFLO
posted2022/05/19 17:01
現役時代の“性的画像被害”などについて明かしたキューティー鈴木
――訴えて、何か変わりましたか。
キューティー いや、そんなに深く受け取られはしなかった。「それだけ人気が出たってことだよ」って流された。そういう時代だったかなとも思うんですよ。有名な一般雑誌に載る、イコール名前が売れてきた証拠だから。わざわざ買って、一部の人しか見ないものかもしれないけど、その雑誌を身内とか純粋なファンの人が見たら嫌だなぁとは思ってましたね。今のネット時代とは、ちょっと違うかもしれないけど。
男性ファンからの侮辱「俺の方が強い。(ケンカを)やろうぜ」
――男性ファンからカチンとくる態度を取られたことはありますか。
キューティー 街を歩いてて、「俺のほうが強い。(ケンカを)やろうぜ」とか、ありましたよ。そういう男が女性をダメにしてると思うし、女性っていうだけで見下してる。プロレスはケンカじゃないからね。ルールがある格闘技で、強い・弱いも大事だけど、技の美しさを観てもらいたいのに、そう吹っかられるのが腹立たしかったし、低レベルだなって思ってました。無視……ですね、そういうときは。
――「これは有名税だ」と流せなかった?
キューティー 流……せた、最終的にはね。芸能の仕事を何年も続けていくと、自分の知らないところで嘘をたくさん書かれたり、話題にされたりするんです。19歳ぐらいから芸能の仕事が忙しくなって、あのころは真剣にがむしゃらにやってたので、流せなかったと思います。この団体(ジャパン女子プロレス/1986年~92年)がメジャーになるために、こんなに一生懸命やってるのに、なんでそっち(不快な写真)にいっちゃうんだろうって思った時期もあったし。自分に自信がなかったことも大きいですね。当時は忙しくて、家に帰ってもテレビも雑誌も見なかったので、結果が見えない。
人気爆発のきっかけは「天才・たけしの元気が出るテレビ!!」だった?
――「最終的に流せた」のは、自信を持てるようになって、結果が見えたから、ですか。
キューティー 街で声をかけられるようになったんですね。JWP(92年~2017年/現:PURE-J)になって、試合中継がWOWOWで放送されていて、チャンネル数が少ない田舎の人たちがよく観てたんです。地方に行くと、おじいちゃん、おばあちゃんから、「キューティー鈴木はどこにいるんだい?」って聞かれて、「私がキューティー鈴木ですよ」って言うと、「あー、あんたかい!」って喜んでもらえて。今までがんばった甲斐があったなぁって、認められたというか、結果が出てきたことがわかるようになると、自信がつくんですね。