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《あのアイドルレスラーは今》2児の母・キューティー鈴木52歳が告白する“壮絶な流産体験”…救った長男の言葉「シュートがいるから」
posted2022/05/19 17:00
text by
伊藤雅奈子Kanako Ito
photograph by
Mami Yamada
「キューティー鈴木は20代で終わらせたい」
そんなこだわりで鈴木さんが現役生活に幕を下ろしたのは98年12月。29歳だった。そのおよそ6年後、3歳年下の一般男性とゴールイン。現在は、2人の息子を育てるママだ。幸せな4人家族。しかし、こんな日常を手に入れるまでには帝王切開、不妊治療、流産があった。
◆◆◆
――今春、ご長男が高校受験だったそうですが、結果は……。
キューティー鈴木(以下、キューティー) 受かりましたー! ほんとにがんばってくれたんで、無事に第一志望校に合格できました。コロナがあったので、学校説明会が少なかったり、中止になったり、ウェブ出願なんていうのも出てきたりして、私もどうしていいのかわからなかったけど、高校1年生になってくれました。
36歳での“緊急帝王切開”で出産
――おめでとうございます。そのご長男は、帝王切開で出産されたんですよね。
キューティー そうです。36歳で、もう少しで37歳になる年に。そろそろ出てくる時期だったので検診に行ったら、「心音が聴こえない」って言われたんです。えっ、死んじゃったの? と思ったけど、先生に焦ってる感じはなくて、「すぐに帝王切開だ」と。私が「わかりました」と言うひまもなく、「今すぐ切りましょう」って。
主人を呼んだら、あまりにも急だったんでポカ~ンとしてて、入院するバッグは実家に置いてあったので、母に持ってきてもらって、バタバタしながらも2、3時間後には産まれてました。帝王切開なら誘発剤とかもいるのかなぁと思ったら、「そこまで待っていられない」と。できれば自然に産みたかったけど、子どもの命が一番なので、先生の言うとおりに。
――心音が聴こえないことは、自分でも確認したんですか。
キューティー 普通は「ドクッ、ドクッ」て聴こえるんですよ。でも、しばらくしたら「ピー」となっちゃう。最初は機械が壊れたのかと思ったんです。看護師さんが何度も、私のおなかに冷たいシートをペタッて貼りなおしてくれるんだけど、また「ピー」。
――良からぬことを考えたのでは……。
キューティー ありましたけど、先生が「大丈夫ですよ」って言うから、信じるしかない。「すぐ切りましょう」と言われたわりには、けっこう時間がかかったので、その間が不安でしたよね。でも、産まれたときは元気だったし、すぐに泣いたし、丸々と太ってたから、あー、これで大丈夫だと。